COLUMN

俺の人生、三種の神器 -キャシー ①私だけのギターヒーロー-

2016.12.04

キャシーキャシー

▼俺の人生、三種の神器とは?

 

人生の転換期には、必ず何かしらきっかけとなる「人・もの・こと」があるはずです。そのきっかけって、その当時は気づけないけれども、振り返ると「あれが転機だった!」といったことはありませんか?そんな人生の転機についてアンテナ編集部で考えてみることにしました。それがこの「俺の人生、三種の神器」。

 

折角なのでもっとアンテナ編集部員ひとりひとりのことを知ってもらいたい!そんな気持ちも込めたコラムです。これから編集部員が毎週月曜日に当番制でコラムを更新していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

 

私には、たった一人、かけがえのないギターヒーローが存在します。

 

 

彼に出会うまで、私は「バンド」というものを知りませんでした。…というよりは、バンドというものはCDやテレビの向こう側の世界の存在だと思っていました。それまでに行ったことのあるライブと言えば、SMAPのドームコンサートと、B’zのLIVE GYMくらい。「ライブハウス」なんて単語はまだ知りません。音楽は好きでしたが、それこそBUMPを始め邦楽のロックバンドの曲をいろいろ聴き始めたくらいの頃で、MDウォークマンとカセットを沢山かばんに入れてましたね。眠い授業の時には、制服の袖からイヤホンを出してこっそり聴いたりなんかして。懐かしいもんです。

 

 

 

隣のクラスのちょっと変わった男の子

 

 

 

彼は、高3の時の隣のクラスの男の子でした。ちょっと変わった子で、ハンドボール部に所属しているくせに、軽音楽部の誰よりもギターが上手い。歩く姿勢がとても綺麗で、長めの髪を明るく染めていて、学ランのボタンは一番上まできっちり閉める。きっと彼なりのこだわりがあったんだろうな、と思います。

 

 

衝撃の出会いは、高3の春にやってきます。それ以前にも彼の名前とその存在くらいは知っていましたが、特に気に留めたことはありませんでした。

確か、土曜日だったと思います。私は自分の所属していた吹奏楽部の用事で、友人と2人で高校の多目的ホールへ向かいました。普段ならそこは吹奏楽部の練習場なのですが、その日は学芸祭イベントの直前だったため、イベントでライブをする有志バンドがリハーサルをしていたのです。ホールに入らせてもらって用事を済ませたところで、友人がボーカルの男の子に話をつけ、ついでにリハーサルを見学させてもらうことになりました。

 

 

 

これがバンドか!!

 

 

 

――衝撃でした。すぐ目の前で鳴らされる大きな音。今までスピーカーやイヤホンからしか聴いたことがなかったような音が、同じ空間で今まさに生み出され、叩きつけるように押し寄せてきます。音というのは空気の振動で伝わりますが、彼らの鳴らす音は私の身体をビリビリ振動させて、心臓を揺らして、まるで感情を持って行かれたような感覚でした。

 

…たぶん、そんな感じだったと思います。正直、圧倒されててあんまり覚えてないですけど。そしてその中でも特に、学年一ギターの上手かった彼の音が私の心をつかんで離さなくて、私は勝手にめちゃくちゃどきどきして、ものすごく格好良くて、つい見とれてしまいました。

 

 

nirvana

ちなみに、どうやら彼はカートになりたかったらしい

 

 

 

バンドって、同じ世界に存在するものなんだ

 

 

 

きっと今にして思えば、学校の簡単な機材や即席のステージに寄せ集めのメンバーで、決してめちゃくちゃ上手いとか音が良かったわけではないと思うんです。ただそれでも、私には十分すぎるくらいの力がありました。

 

「バンドって格好良い」

 

バンドというものを初めて同じ世界のものだと感じ、しかもそれを同い歳の男の子がやってるんですよ?カルチャーショック以外の何物でもありませんよね。そうして、その日から彼は私にとってのヒーローになったのです。

 

 

 

私は誰かに憧れたり「すごいな、格好良いな」って思うと、「自分もそんなふうになりたい」と思う傾向があります。

 

というわけで、その年、大学に合格して私が選んだサークルはもちろん軽音楽部でした。彼のギターのおかげで私は軽音に入り、そこで大好きな大切な仲間たちに出会いました。バンドを組んでライブハウスに出るようになって、それこそ京都だけじゃなくて各地のイベントに呼んでもらい、自分たちのCDが全国流通され、きっと二度と出来ないような経験を沢山することが出来ました。だから、彼にはとても感謝しています。ある意味、バンドマンとしては私は彼の立場を大きく越えたわけですが、それでも私にとっては彼はいつまでも越えられない憧れのヒーローなんです。

 

 

 

バンドマンへ物申す

 

 

 

いいですか、バンドマンの皆さん。

 

 

 

よく「バンドやってもモテないし」とか言いますけどね、ギターの音一つで、一人の女子高生のその後の人生がとてつもなく大きく変わるんですよ?わかります?バンドにはものすごい力があるんですよ。

 

 

 

だから、ごちゃごちゃ言うな!諦めんな!格好つけてろ!以上!!

 

 

 

 

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