INTERVIEW

THEロック大臣ズ解散。Vo.たなかけんすけ単独インタビュー

2017.03.24

岡安 いつ美岡安 いつ美

男の子ってずるいよなあ。

そんなことをTHEロック大臣ズから解散の知らせを聞いた時に思いました。(彼らのことを男の子、なんて呼んでいいのかもわからないけど)

 

 

たぶん同じことをガールズバンドがやっても様にならないと思うし、彼らだから様になる引き際。なんてずるいんだ!と思ってしまったのが、以下の解散の理由。

 

 

「自分たちが定めた期間内に、自分たちが定めた目標に届かなかったこと」

 

 

そんなこと言われたら納得する以外に何もできないじゃん。 本当にずるい。

 

私はVo.たなかと同い年の28歳。ロックを掲げて、30歳を目前まで控えた今まで頑張っている彼らを応援していました。特にここ数年のめざましい活動はこれからの期待を寄せていたし、彼らの活動には勇気をもらっていました。

 

そんなTHEロック大臣ズが3月26日、十三FANDANGOで行われるワンマンライブをもって解散します。

 

彼らはなぜ解散するのか?今どんな気持ちなのか。 有終の美を飾る直前に野暮かもしれないけれど、いろんな疑問を解決すべく、Vo.たなかに話を聞いてきました。

死ぬ気でやるぞ!

ーーここ最近の活動を見ていて、取材をしなきゃなあと思ってて。リリースするって話を聞いたときに、ちょうど取材するのにいいタイミングだな、と思っていたんだけど……だから解散の告知にはすごく驚いたんだよね。いつ頃解散は決まってたの?

 

 

解散は去年(2016年)の10月頃に決めていて。

 

 

ーー解散のことを考え出したのはその頃?

 

 

いや、解散のことはずっと考えていて。前のアルバム『KIDS ONLY』を出した2015年の1月には話をしていたんだよね。「俺たちどうすんの?」って。

 

 

ーーリリース直後にそんな話を?順調ではなかったの?

 

 

うん。『KIDS ONLY』を出してみたら売れなし、数少ない俺たちのお客さんは別として、それ以外の人に届いていない実感がすごくあって。その状況を見てこのままではダメだ、と思っていたんだよね。ただ続けるだけでは意味がない、って思ってたし。

 

 

ーーなるほど。

 

 

だからふわふわ活動するのはやめて、危機感を持ってやろうって、2015年に4人で決めて。危機感の中には解散も視野に入れて。 結局俺たちみたいなバンドは、売れなきゃいけないと思ったんだよね。続けることを重視したら今まで通りにふわふわやっちゃうし、それでいいやってなるのが目に見えていた。そこであと1年ぐらい頑張って、それでダメだったらキッパリ辞めようって4人で決めたんだよね。このフェスに出て、このフェスに出て、っていう具体的かつ現実的な目標を立て。

 

 

ーーそこで立てた目標に到達できなかったのが、解散の理由の一つというわけね。

 

 

そう。でも全員の中で踏ん切りがつかなかったのか期限としていた2016年1月には誰もその話をしなかったんだよね。しがみつくような気持ちもあったのかもしれない。

そういうことをやりたくないからロックをやっていた

ーーちょっと話は変わるけど、大臣ズって自分たちの打ち出し方をガラッと変えた時期があったじゃん。「改めまして、THEロック大臣ズです」っていうコピーでHPを新しくして、4人全員がSNSを積極的にやるようになって。目に見えて印象が変わっていったことをよく覚えていてさ。それが1年間頑張ろうってなったときなのかな。

 

 

 

そうだね。

 

 

 

ーーあれはすごく衝撃的で。あ、こいつら売れるために本腰入れ始めたぞ、と。具体的には何を自分たちの中で何を変えたの?

 

 

それまでは外からの見られ方を考えてなかったし、みんなを巻き込むってことを考えてなかったし。どうしたらみんなを巻き込めるか、どうしたらみんなに興味をもってもらえるか?を考えて、いろんな人に相談していたんだよね。その中で一人、親身になって考えてくれる人がいたりして。その人のアイディアは俺たちでは見当も及ばないような戦略でさ。俺らにとってはやりたくないようなこともたくさんあったけど……でもこれから頑張るって決めていた期間だったから、死ぬ気でやるぞ!って気持ちだったんだよね。行動に移したのは4人でだったけど、アイディアはいろんな人からもらった感じかな。

 

 

ーー露出が増えたり、メンバー全員がSNSをきっちりこまめにやっていたりしていて、絶対大変だろうなと思っていて。音楽以外のことを頑張れているバンドってそんなに多くないと思うのよ。

 

 

そうそう、そういうことをやりたくないからロックをやっていたんだけどね。

 

 

ーー私のTHEロック大臣ズの印象は、まさにそれだった。だから打ち出し方を変えた時はすごく不思議で、驚いたわけ。同時に自分たちのやり方を変えて、しっかり売れようとしているバンドが京都に出てきたことがすごく嬉しい瞬間でもあったのね。京都にそれができているバンドもそんなにいないし。

 

 

でもポスターを配りに行く、それをSNSに投稿する。その時間で普通のバンドができていることができなくなったり、時間がかかるようになってしまったりして。例えば曲を作るのも2ヶ月に1曲できていたのが、ペースが下がったりして。弊害はもちろんあったよ。

 

 

ーーそうか。

 

 

今回のアルバムはJOYFUL RECORDっていうレーベルからリリースしたんだけど、タカダスマイルさんが誘ってくれて。「僕たち解散するんですけど、いいんですか」っていってもOKしてくれて。JOYFUL RECORDでのリリースが決まってからは、SNSの宣伝とかの負担はなくなってさ。そういうことを頑張るよりも、音楽を頑張ってほしいと言ってもらって。だから結局どっちがよかったのかは……今でもわからない。 ジョイフルはとてもやりやすくて、あれしろこれしろとも言わないし。全国流通もかけてくれて、売上も今順調で。

 

 

ーー4人で頑張った時期があるからこその今、だとも思うけどね。

 

 

あの頃は時間が全然なかったかなあ。慣れてないことを全員でやってたし、みんな偉いなあって(笑)俺が一番一般人で、他の3人は自由奔放でロックな人たちなのに、バンドのために頑張ってくれてんなと思ってて。でもこの期間はやろうって決めてたから、頑張れたんだよね。

ギターを始めた中学生の頃のような気持ちで

ーー1年終わっての結果は実際どうだった?

 

 

お客さんが増えたりとか目に見える結果がちょっとだけあったけど、俺らが最初に決めていた目標には全然届いていなかったんだよね。

 

 

ーークリアできなかった目標は、心残りではない?

 

 

やるだけはやったし、無理やったわあ……って感じかな(笑)だからやりきった感はあるのかな。2年前に悔いの残らないようにやろう、って決めたから今悔いは残ってない。

 

 

ーー潔いなあ。

 

 

活動休止とかではなくて、解散にしたのはよかったと思っていて。中途半端にせずね。それは俺らっぽい終わり方かなと。俺らの世代で解散するバンドってあんまりいなくてさ、解散のコメントを書く時に、参考にするバンドが思い浮かばなくてさ(笑)

 

 

ーー確かに、30を目前にして、20代で積み上げてきたことをこの歳でをやめる人ってそうそういないと思うよ。

 

 

もっと早く辞めるか、

 

 

ーーあとは結婚・子供ができるとかの30代になってからとかかなあ。27,28歳ってこれからって時期かと思うのね。積み重ねてきたものが、これから勝負できる時期というか。大臣ズはこの2年、誰もが認めるほど頑張ってたと思うし、だから潔いと思うわけで。何にもしていないバンドが解散って言っても、「ああ、そうだよね」ってくらいにしかならないと思うし。

 

 

解散するって決めて、発表までに身近な人には伝えていってたんだけど。写真をずっと撮ってくれているアズマさんって人に「嘘つきロックンロール!」とか言いながら、怒られて。大体の人は悲しんでくれるんだけど、アズマさんには怒られたから、すごく印象に残っていて(笑)。怒ってくれる人がいることは嬉しかったし、自分たちの頑張りをしっかり見ていてくれたんだなって思って。

ーー今の気持ちは?

 

 

MCでも言っているけど、あとは楽しんで終わるだけだから、演奏を上達しようとか、いい曲を作ろうとか気持ちも持たなくていいし、いい意味ですごく楽で。ギターを始めたころの中学生の気持ちで駆け抜けようと思っている。純粋な気持ちで音楽を楽しもうって。

 

 

ーー今ツアーで各地を回っていると思うけど、お客さんの反応はどんな感じかな。

 

 

泣いちゃう人もいるし。でもそれに対して謝れないから、見ててくださいって思っている。

 

 

ーーそれは泣くよ(笑)

 

 

なんか泣いてる人多いのよね。

 

 

ーー予想外?

 

 

意外。泣くまではいかんなあと思ってた。 俺、中三の頃にGOING STEADYが解散して、次の日学校で先生に呼ばれて「お前なんかあったか?」って聞かれたことはあったけど(笑)、でも泣きはしなかったしなあ。これから頑張ります、って気持ちではいる。

 

 

ーーこれからの活動って何か決まっている?

 

 

音楽はやろうと思っている。どういう形でっていうのはまだ何も言えないけど、俺個人は音楽をこれかも続けるよ。SNSとかをめちゃくちゃ頑張るってことは、これからはないだろうし、本当に好きな音楽を、好きにやりたいって気持ちかな。

 

 

ーーこれ、書きにくいなあ~(笑)

 

 

え?なんで?

 

 

ーーいや、今まで結構辛かったんだなあって思うと、なんか……(笑)

 

 

ああ、なるほど(笑)。 絶対やめたくなるし、放り出したくなる気持ちになるかもしれないっていうのは始めからわかっていたから。それでもやるんだな?やるぞ!って、4人で決めたことだったから。他のバンドからしたらダサいって思われることもいっぱいあったけど、そんなことも全部やろうぜって言ってやってたし、辛くても関係ないというか。

 

 

ーーだから大臣ズはかっこよかったんだよなあ。

 

 

そう?

 

 

ーーさっき「こういうことやりたくないからロックをやっている」ていってたじゃん。そんな自分たちの姿勢や思いを壊して、ダサいと思われるようなことも、目標のためにやるってすごいかっこいいと思うよ。

 

 

それは4人だったから、できたかな。俺1人では絶対に無理だった。

 

 

ーーロック大臣ズだったからできたんだね。

 

 

もちろん。

BOYS WONDER!vol.3 〜THEロック大臣ズ ファイナルワンマン〜

 

 

日程:3月26日(日)

場所:十三FANDANGO

出演:THEロック大臣ズ

時間:open 18:00 / start 19:00

料金:2000円 (+1drink)

予約:ローソンチケット Lコード[55983] / e+ / FANDANGO店頭

※入場者全員に特典CD付

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