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京都シネマ

2016.02.21

DinoDino

京都のビジネス街・烏丸通に鎮座するオシャレな複合ビル、COCON烏丸。各方面からのアクセスも良く、一度は皆さんも足を運んだことがあるのではないでしょうか。その3階に奥に居を構える映画館が京都シネマです。京都シネマは2004年から現在まで、ミニシアター系の映画を上映し続けています。大手シネコンのようなお金のかかった派手な映画ではない、でも確かに私たちの心を掴んで離さない、人間の心の深いところまで根を張る作品たちは、私たちの感性を刺激するものばかりです。

映画はすごく興味あるけど、“そもそもシネコンって?ミニシアターって?その違いってなんなんだろう?”そんなあなたのナビゲーションから、本当にコアな映画ファンも唸らせる作品のセレクト。そして落ち着いた居心地のよい空間が魅力的な、街の映画館です。

INFORMATION

住所

〒600-8411 京都府京都市下京区烏丸四条下ル水銀屋町620

定休日

不定休

営業時間

10:00~21:00

電話

075-353-4723

HP

http://www.kyotocinema.jp/

京都シネマの谷口正樹さんにお話を伺ってきました。

ーー:

京都シネマが始まったきっかけを教えてください。

谷口:

京都朝日シネマというミニシアターの映画館がもともと三条河原町にあったんです。そこが閉館することになりまして、当時のスタッフが集まって「またどこか別の場所で続けることができないか」ということになり、またここ(COCON烏丸)で名前を変えて開業したのが京都シネマです。

ーー:

具体的にいつごろからCOCON烏丸で営業をされ始めたんですか?

谷口:

2004年の12月4日から開業しました。

ーー:

商業ビルの一番上に映画館があるのは風変わりで面白いなと思うんですが、出店する場所はどういう風に決められましたか?

谷口:

僕は意思決定に加わったわけではないんですけど、おそらく建物だけを立てて開業する規模の展開は考えてなくて。映画館は立地が一番大事なので、この辺りで新しくビルを作って、というのがとても難しいことがあって、テナントとして既存のビルに入居する方針で考えていたんだと思います。

 

 

たまたまそのときにここがちょうど元々あったビルをリノベーションして作り直して、新しく商業ビルとして営業を開始するタイミングと一緒だったんです。そこでテナント募集をしていらして、COCON烏丸が開業すると同時にうちも営業を開始した、といった感じです。

ーー:

入居自体はスムーズに進んだということでしょうか?

谷口:

そうですね。そしてここに入っている商業テナントさんも、全部自分たちのショップのテーマとか雰囲気に合わせて内装を改装されているので、ちょうど京都シネマの内装も一緒にできました。元々あるところに映画館を作ること自体が結構特殊というか、リスキーなことなんですけどとてもラッキーなタイミングだったと思います。

ーー:

京都シネマの一番の特色を教えてください。

谷口:

ミニシアター系の映画館なので、ハリウッド系の宣伝をバンバンする映画を上映するわけではないですね。ヨーロッパの映画やアメリカ映画、日本映画でもそうなのですが、あまりシネコンなんかでは上映しないようなちょっと特色があったり、それぞれにコアなファンがいる映画をやっています。

たとえばハリウッド映画とかですごく単純に楽しめて、というのとはまた別のものを求めているお客様にはすごくよろこんでいただけるんじゃないかと思います。

ーー:

どちらかというとインディペンデントな作品が多いのでしょうか。

谷口:

半分以上はもちろんそうなんですけど、映画を好きなお客さんって、もうかなりの割合でなんでも見る方がいらっしゃるんです。もちろんシネコンも行くし、ドイツのすごい小さなドキュメンタリーとかも見るし、みたいな方が多くて。なので本当に映画好きな方が多くいらっしゃっていただいている感じですね。

ーー:

個人的には結構コアな映画が特に好きな方が来るのかなと思ってましたが、幅広い趣向の方がいらっしゃる、という感じでしょうか。

谷口:

作品によってはそういう方も多いですが、シネコンと違うところは、常連さんというか、リピーターの方がとても多いんですよ。おそらくですけど、ハリウッド系の大作を見る方って一年に何回かって感じで映画を観に行かれると思うんですけど、うちの場合はそれこそ週に1回とか、月に何回もいらっしゃるようなディープな映画ファンの方が多いというのはありますね。

ーー:

すごい。映画の選定自体はスタッフさんでやってるのですか?

谷口:

そうですね。配給会社からオファーというかご案内が来て、その中から選んでいくという形にはなるんですけど……。ただ何でもかんでも上映できるというわけではなくて、この中からっていうのは一応あるんですよ。アイアンマンみたいな映画を上映したいと思っても、やっぱりうちではできなかったり、っていうのがありまして。基本的には東京のミニシアター系列で上映されている作品群の中からチョイスしていくという形ですね。

ーー:

なるほど。その作品群の中からのチョイスで、意図してこんな作品を上映しよう、というようなコンセプトはありますか?

谷口:

どちらかというと大人向けと言いますか、落ち着いた映画だったり、わりと考えさせられるようなちょっと深い映画を選んでます。すごく漠然とした言い方なんですけど、京都みなみ会館さんは同じミニシアター系でも音楽映画だったり、本当にすごいカルトなホラー映画だったりと、マニアックな映画をされるのが特色だと思うんですよ。元々みなみ会館さんの方が先にあったので、うちはそれと同じことをすると作品が被ってしまうので。京都シネマは大体30代後半〜50代のお客さんが多いので、大人の落ち着いた人間ドラマみたいな作品が多いですね。あとドキュメンタリーとかもあります。

ーー:

ありがとうございます。ちょっと話は変わってしまうのですが、リピーターの方がお得なサービスがあったように記憶しているのですが……。

谷口:

会員制度というのがあります。会員に入っていただくと年会費はかかるんですけど、一般料金が千円になりすごくお手軽に映画を見ていただくことができます。

ーー:

なるほど、お得ですね。次に、今まで営業してこられて感じた事というか、今後京都シネマがこうなっていったら良いなあ、みたいな事はありますか?

谷口:

そうですね、ずっとやり続けるというか、ミニシアターって全国各地で、立て続けに閉館してしまったりとか、お客さんの楽しみ方が少しずつ変わってきていて。例えばテレビで十分だという方とか、ネットの配信も多いですし、映画館にわざわざ来て映画を観よう、という方が本当に少なくなってきているんですよ。それはミニシアターだけではなくて大作系の映画も同じなんですけど、テレビとかで大きく宣伝して、みんなが観に行くような映画にみんなが行って、というような流れが大きな流れとしてあるんですよ。

ーー:

確かに、そういった流れを感じることはあります。

谷口:

その大きな流れはずっとあったことなので、それもずっとあっていいんです。でもそれ以外にもう一つ別の選択肢みたいなのをずっと、まあこじんまりとなんですけど用意でき続けられたらいいなと。僕もアイアンマンみたいな大作系も大好きなので観に行くんですけど、そればっかりだとちょっとやっぱり飽きてくるので。

 

もうちょっとたまには考えたりとか、ずーっと後味を引きずる映画を観てみたいので、そういう映画を出来れば今後も長く続けていけたらと思います。でも長く続けるっていうのが一番難易度が高いと思うので、それにチャレンジしたいですね。

ーー:

ありがとうございます。お客さんがどうすれば現場へ足を運んでもらうかというような事を沢山考えてらっしゃると思うのですが、何か現在取り組んでいる事や、今後取り組みたい事はありますか?

谷口:

やっぱり映画館の一番の価値というか意義って、共有できることだと思うんです。実際に一緒に楽しめて一緒に笑ったり。一人で笑ってもなんか、ねえ……(笑)。むなしくなったりするんですけど、みんなで笑ってるともっと楽しめるし、共有できる。そういうのをみんなが感じて欲しいと思っています。今やっている取り組みで「京都シネマ名画リレー」っていうのがあるんですけど、それは週替わりで一本ずつ映画話流しているんですけど、その映画はどっちかというとシネコンでやっていたような映画もやってます。

ーー:

素敵な企画ですね。

谷口:

沢山の人がもう一回観たいとか、上映が終わったあとに評判が高くて、観そびれてしまった人たちのために、毎週映画を上映しているんですけど、そういうのってちょっと楽しいじゃないですか。「来週なんだろう?」みたいに同じ人が何回も何回も来てくれるようになったら、映画館自体に愛着を持ってくれると思うんですよ。

ーー:

確かに……。行きつけの喫茶店に行く、みたいな感覚に似ているかもしれませんね。

谷口:

“愛着を持つ”ということは、すごく落ち着いたりリラックスすることだと思うんです。自分の家にいるみたいに楽しんでもらえるんじゃないか、って。せっかく映画を見るんだから、変な緊張感とか、嫌な気分のまま観るんじゃなくて、落ち着いてゆったり観て欲しいので。すごく難しいと思うんですけど、どうやったらそういうことができるんだろうっていうのは、本当にいつも考えてます。それこそ、常連みたいに。

ーー:

ありがとうございます。また話は変わってしまうのですが、谷口さんは元々映画が好きだったのですか?

谷口:

映画を好きになったのは大学くらいからですね。それまではずっとサッカーをしていました。あんまり映画とか見に行かなかったんですけど、大学が精華大学ってところで、映画をタダでいくらでも観れたんですよ。それでなんかずっぽりはまってしまって。勉強は全然しなかったんですけど、普通にお金払って見れないような映画をたくさん観られたのが多分今につながっていると思います。

ーー:

大学時代にどっぷりハマったんですね。先ほど話しに少し出たみなみ会館さんにもそのときから通い始めたのでしょうか。

谷口:

そうですね、学生の時から通ってました。当時はみなみ会館しかミニシアターがなかったんですよ。一緒のことをやっていたら誰にも認めてもらえないし、僕らの世代にはみなみ会館が占めているものは絶対あって。だからなんとか同じように愛される映画館になりたいです。うちはまだ10年なんですけど。

ーー:

ありがとうございます。若手の作家や学生が京都で作品を発表できる場としての京都シネマってすごく文化拠点として意義があると思うんですけど、谷口さんは若手の作家の作品をご覧になりますか?

谷口:

もちろんうちで上映する奴はいつもだいたい見ます。すごく刺激的というか、チャレンジしている感じがとても好きです。

ーー:

最近見た中で特に印象に残っているものは?

谷口:

全然若手じゃないんですけど、橋口亮輔さん(代表作:ハッシュ、ぐるりのことなど)が、ワークショップで素人の方を俳優さんとして使って映画を一本撮る、という企画があって。

ーー:

おお、なんだかすごそうですね……。

谷口:

実はそういう企画は結構多いんですけど、ほとんど演技未経験みたいな人たちを指導しながら演出しながらっていう映画を撮られていて、「恋人たち」っていう映画なんですけど、今度11月にうちで上映します。それはもともと商業用の映画として作られているわけではないんですけど、ものすごく久しぶりに、ガツンときたというか。

ーー:

なるほど……。出演されてる方で主役級の方もやはり素人の方なのでしょうか?

谷口:

出てる人本当に全く知らないんですよ。リリー(フランキー)さんがゲストで出てはいるんですけど、主役級の方はほんとに無名の新人俳優がやっていて、それがめちゃめちゃリアルで、本当に最近見た中で一番やられました。

 

 

だからそういう実験的な作品が、若い人たち、たとえば映画に興味がある人たちとか、映画を今後製作していこうとか映画俳優になろうという方たちの入り口になってると思うんですよ。そういうのが、普通にうちで上映できるというのは、幸せなことです。ぜひ見てみてください。とにかくリアルで、そこで起こっている事を見ている、みたいな。

ーー:

ありがとうございます、ぜひとも観てみたいです。最後に、谷口さんが京都で落ち着く場所を教えてもらってもいいですか?

谷口:

僕お風呂が好きなんですけど、それで鞍馬温泉っていう昔からある銭湯によく行くんです。露天風呂みたいになってて全部綺麗で、山の中にお風呂がある、みたいなところなんですけど、そこに入ってフワーっとするのがすごく好きです。元々はダイビングが好きで、ダイビングをしてる時が人生で一番楽しいと思ってたし実際そうだったんですけど、今はお風呂につかてるときが一番幸せです。

 

水につかってるのが好きなんです。多分カ僕前世がカエルだったんですよ(笑)。以前カエルを飼っていたことがあるんですけど、カエルって夜行性なんです。いつも昼はずーっと壁にくっついて寝てるんですけど、夜は置いてあげた水の張ってあるコップに浸かってるんですよ。それがすごくかわいくて。そんな感じです。なので鞍馬温泉です。

ーー:

ありがとうございました!

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