COLUMN

書評企画『365日の書架』〜11月のテーマ ノスタルジアを感じる〜

2020.11.10

丹 七海丹 七海

11月のテーマ『ノスタルジアを感じる』

『365日の書架』は、関西の書店がおすすめする書籍を紹介する連載企画。参加店舗はとほん、只本屋、ホホホ座、マヤルカ古書店、ON THE BOOKSの5店舗です。ちょっとニッチな世界を紹介する本や、自分自身の人生を考えさせられる本まで、唯一無二のセンスを持つ店主おすすめの書籍を、テーマに添って紹介していきます。11月のテーマは「ノスタルジアを感じる」。早まる夕暮れに、肌寒さが迫る秋。人肌恋しさから、郷愁に駆られることもあるのではないでしょうか。どこか恋しくて懐かしい、心がじんと温まるような書籍が並びます。

企画趣旨

皆さんは、自分の人生を変えた本に出会ったことはありますか?生き方の羅針盤になったり、毎日をちょっと素敵にしてくれたり、新しい価値観を教えてくれる力が書籍にはあります。そんな出会いを与えてくれる場所の一つが、個人の書店です。店主が独自の目利きで選書した書籍は、そのお店でしか出会えないものばかり。他では触れられない、様々な出会いに触れることができるでしょう。『365日の書架』は、関西の書店がおすすめする書籍を紹介する連載企画。参加店舗はとほん、只本屋、ホホホ座、マヤルカ古書店、ON THE BOOKSの5店舗です。ちょっとニッチな世界を紹介する本や、自分自身の人生を考えさせられる本まで、唯一無二のセンスを持つ店主おすすめの書籍を、テーマに添って紹介していきます。

(只本屋は、お店のご都合により今月おやすみとなります。ご了承ください)

とほんが選ぶ今月の1冊

『なつかしい時間』

著者:長田弘

出版:岩波新書

発行:2017年

 

「記憶は、過去のものではない。それは、すでに過ぎ去ったもののことではなく、むしろ過ぎ去らなかったもののことだ。とどまるのが記憶であり、じぶんのうちに確かにとどまって、じぶんの現在の土壌になってきたものは、記憶だ。」(本文より)。懐かしいという気持ちが今の私を揺さぶる。あの時、あの場所こそ私の本当の居場所だったのではないか。けれど、そんな思いは幻想でしかなく。懐かしいという記憶をしっかりと胸に留めながら、今ここで、未来を目に向けることが人生なのだと、この本を読むことで気づかされます。

 

購入方法:こちらの通販サイトからお買い上げいただけます。

とほんについて

奈良県大和郡山市にある8坪ほどの本屋です。新刊本を中心に雑貨も少し置いています。大切に持っていたくなる本、長く読み続けたくなる本、読んで良かったと思える本、そんな本を販売しております。店名の「とほん」は「人とほん」「町とほん」など、いろいろなものごとに「と、ほん」と繋がっていけたらと思いから。

住所

〒639-1134 奈良県大和郡山市柳4-28

営業時間

11時〜17時(木曜定休)

Webサイト

https://www.to-hon.com/

オンラインストア

https://tohon.shop-pro.jp/

ホホホ座浄土寺店が選ぶ今月の1冊

『おもしろ あいうえおかるたの え本』

著者:とよながもりと

出版:学研プラス

発行:2020年

 

沖縄の張り子作家・豊永盛人さんは、そのユーモラスな作風でいつのまにかかるたの人になってしまった。昔、京都で個展をされた時にお会いした豊永さんは素朴で絵柄が抜け出たような人物だった。絵もさることながら、読み札の独特な面白さもかるたの存在感を際立たせている。この絵本はそのかるたを使って、言葉遊びを楽しめる内容。かるたそのものが日本古来の遊びだが、のほほんとしたかるたの中のキャラクター達になぜか懐かしさを感じさせる。大正時代のような、昭和初期のような、令和なのに、お気楽な時代の顔つきをしている。

 

購入方法:こちらの通販サイトからお買い上げいただけます。

ホホホ座浄土寺店について

ガケ書房とコトバヨネットが合体し、京都市左京区にて2005年にオープン。母体は編集グループとして発足し、書籍の企画・編集・出版なども行う。現在、ホホホ座を名乗る異業種の店舗が全国に10店ある。浄土寺店は、本が多いお土産屋として、新刊を中心にした品揃えを展開中。

住所

〒606-8412 京都府京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1階

営業時間

11時〜19時(年中無休)

Webサイト

http://hohohoza.com/

オンラインストア

https://hohohozazaza.stores.jp/

マヤルカ古書店が選ぶ今月の1冊

『おともだち』

著者:高野文子

出版:筑摩書房

発行:2007年

 

静かな海、港の見える高台の町、色とりどりの商船、女学校、“異人さん”……。「ノスタルジア」と聞いて真っ先に思い浮かんだ『おともだち』は、多くのファンをもつ高野文子さんのコミック。冒頭のシーンは、収録作品のひとつである「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」に登場します。開港記念祭で「青い鳥」のオペラを演じる女学校の生徒たちと少女たちの心のゆらぎを描いた物語。音のないはずのオペラシーンでは、そのハッとするような迫力と静寂、幻想的な美しさと愛らしさに思わず息をのみます。いつまでもずっと読んでいたいと思うような一冊。

 

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マヤルカ古書店について

2013年オープン、三年前に西陣から一乗寺に移転しました。 古書の取り扱いジャンルは、文学、文化、アート、絵本、食と暮らし、自然、民藝。 毎日のささやかなシーンにすっとよりそい、手のひらでそっと包みたくなるような本を。店舗2階では、新刊の販売とさまざまな催しをしています。

住所

〒606-8187 京都市左京区一乗寺大原田町23-12

営業時間

11~18時(火曜・金曜定休)

Webサイト

http://mayaruka.com/

オンラインストア

https://mayaruka.stores.jp/

ON THE BOOKSが選ぶ今月の1冊

『TRANSIT AD QUARTERLY 車内ポスターセレクション《首都圏版》 春夏秋冬』

著者:Studio Bird Land(編集)

出版:アド出版株式会社

発行:1984年

 

1984年の国電車内(電車やバス)に設置された中吊り広告の作品集です。小さい頃、母親とお出かけした時に見た車内のイメージをぼんやりと思い出して懐かしい気持ちになりますが、改めてデザインの面白さにも気づかせてくれるのがこの時代の広告媒体です。時代はバブル絶頂期、クライアントもデザイナーも予算はたっぷり。デザインはアナログ的で人間くさく、キャッチコピーの漢字はカタカナ多めに変換で。今と違ってイラレもフォトショも無い時代、デザイナーさんの閃きと手腕で勝負している作品群にきっと打ちのめされるでしょう。

 

購入方法:こちらの通販サイトからお買い上げいただけます。

ON THE BOOKSについて

アートブックやサブカルチャーなどの古本/古書、アジア買い付けのキッチュな雑貨、ここでしか買えない作家グッズなど、ドキドキワクワクがいっぱいつまったお店です。旧大阪府庁舎を改修した大阪府立江之子島文化芸術創造センターにて営業中。

住所

〒550-0006 大阪府大阪市西区江之子島2-1-34大阪府立江之子島文化芸術創造センター B1

営業時間

11時~20時(月曜定休)

Webサイト

https://on-the-books.info/wp/

オンラインストア

https://on-the-books.info/wp/

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