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BnA Alter Museum

2020.10.16

肥川 紫乃肥川 紫乃

作品:『NEXTEFX - Abstract Dragon』Mon Koutaro Ooyama(#BCTION, DOPPEL9)、写真:Tomooki Kengaku

京都四条河原町を五条方面に5,6分ほど歩くと、マンションの隣にふとアート作品が並ぶショーケースが目に入る。それは世界でも珍しい非常階段と展示室が一体となったステアケースギャラリー・SCGを有する、アーティストが手がける作品の中に泊まれるアートホテル〈BnA Alter Museum〉(以下、BnA)のエントランス。京都の街並みの中でも異彩を放つ存在だ。高円寺、秋葉原に続く3店舗目となるこのホテルは10階建ての新築ビル内に31部屋を有し、BnAの中では最大規模の施設だ。BOREDOMSのEY∃や、メディアアートで知られるRhizomatiksの真鍋大度など16人のアーティストが客室を手がける。

 

SCGを利用した展示会の企画や、アーティストとコラボレーションした客室などを活かし、宿泊客はアート作品を多角的に体感できる。BnAは、彼らの作った場所を通じて日本のローカルシーンで活動する若手アーティストが活躍できる場を創造するのだ。国内はもちろん、海外のクリエイターが宿泊客として訪れることも多く、海外市場にもリーチできることがBnAの最大の強みだろう。海外のクリエイターとローカルアーティストをつなぐ場所としての発展を常に目指している。

住所

〒600-8024
京都市下京区天満町267-1

営業時間

フロント:24時間
ステアケースギャラリー:11:00 – 20:00
カフェ:12:00 – 18:00
バー〈Untitled〉:18:00 – 26:00

TEL

075-748-1278

参加アーティスト

EY∃(BOREDOMS) / AOKI takamasa / 梅田哲也 / 大平龍一 / 香月美菜 / SHOWKO / 河野ルル / Sai / 菅本智 / 中野裕介(パラモデル)/ 真鍋大度(Rhizomatiks) / 三嶋章義 / ミズグチグッチ(赤犬, みにまむす)/ Mon Koutaro Ooyama(#BCTION, DOPPEL9) / 油野愛子

Webサイト

https://bnaaltermuseum.com/

客室はアーティストが設計段階から関わり、部屋の形から設備、素材や家具まですべてがコンセプトを形作るためにデザインされている。いわゆる「アート作品が飾られた部屋」ではなく「部屋まるごとがアート作品」だ。アーティストの表現を尊重した空間に長時間滞在することで、美術館やギャラリーなど制限のある中で鑑賞する体験とは異なる向き合い方ができる。宿泊料金の一部はアーティストに還元され、活動を支援する仕組みも整っている。「アーティストと宿泊客、双方とより良い関係を築きたい」という創業者の想いは細部までホテル内に体現されている。

 作品左より:1,2『D_R_M』EY∃(BOREDOMS) / 3『no man’s waters place that don’t see』梅田哲也 / 4『TRAVELING ROOM』AOKI takamasa / 5『Venus' Flower Basket』河野ルル / 6『continuum』真鍋大度 (Rhizomatiks) / 7『3019_2019』SHOWKO、写真:Tomooki Kengaku

ステアケースギャラリー・SCGと1F、2Fのギャラリースペースでは、アートディレクターの筒井さんがキュレーションを務めるアートの企画展示会が開催されている。京都を拠点に活動する現代美術アーティストやメディアアーティストなど、若手ながら海外での活躍を期待される次世代アーティストを発掘することが目的だ。

丸橋光生「ああ わたしは 見ているよ ベイベ」2019、写真:Mitsuo Maruhashi

また、1F部分には宿泊者以外も利用可能なバー〈Untitled〉とミュージアムショップも併設。バーでは定期的にDJイベントなども開催され、訪れた地元の人たちと宿泊客との交流や、居合わせたアーティストやクリエイターとの交流も生まれる。

 

ホテルに滞在中、どんな場所にいても作品に触れることができる。長時間作品に触れることで、普段は気づかない発見がたくさん得られることだろう。きっと日常にも新しい視点を取り入れることができるかもしれない。いつもとは違うアート体験が日常にもたらす作用を、滞在を通じて体感してほしい。

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