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【SXSW2019】「今の時代にとってのインディー」ってなんだ?(INDIE ELECTRONIC編)

2019.06.12

山本 洋平山本 洋平

SXSWの取材をする上で、今年アンテナではひとつテーマを決めるらしい。それは「今の時代にとってのインディーってなんだ?」である。

 

なんとも難しいお題であり、自分がどうやって取り組むか悩ましい。その時、ふと「そう言えば、自分が好きなエレクトロシーンののインディーっシーンてどうなっているんだろう」と気になった。調べたところ、インディー・エレクトロニックというジャンルが確立されているらしい。日本語の記事はあまり出てこないが、英語でIndie Electronicと検索すると様々な記事やサイトが出てきて、Spotifyにもプレイリストが存在している。

 

音楽に関するメタデータのデータベースサイト『ALL MUSICには詳しい説明があった。これによると “INDIE ELECTRONICのアーティストはロックのルーツを持っており、50年代に誕生した英BBC放送直属の電子音響研究ためのエンジニア集団、『BBC Radiophonic Workshopや、ドイツの実験音楽であるクラウトロック、シンセポップなどの影響を受けているエレクトロニックアーティストのこと” を言うらしい。このサイトではLCD Soundsystem、Hot Chip、Four Tet、Jamie xx、Caribouなどが挙げれらているようだ。

 

というわけで取り組むべきことが決まった。本記事では実験的に自分たちの音楽を表現する、SXSWに出演していたエレクトリック・インディーのアーティストを紹介したい。

自作ロボットで演奏をする Moritz Simon Geist

ドイツ出身のMoritz Simon Geistは自らが作ったロボットに演奏させる前衛的なパフォーマンスを行う。ロボットが様々なもので音を出し、それを重ね合わせてテクノミュージックを作り出す。以前彼はジャーマン・ロックやパンク・ロックを長年演奏してきたが、電気工学の研究と仕事を行なっていたこともあり、音楽とロボットへの愛を融合したクリエイティブなパフォーマンス、音楽を生み出しているようだ。

これは複数のグラスで音を奏でるロボット。彼の不思議なパフォーマンスにオーディエンスは釘付けになっていた。また、メインに設置されている5つの塊から構成されるロボットは3Dプリンタで制作したそうだ。

 

彼のライブはアートパフォーマンスのようで、彼の一挙一動に注目し、どのような仕組みなのかを考えながら音楽も楽しんだ。

ライブコーディング × テクノ Renick Bell

『Live Coding Party』というイベントで大トリを務めていたのが “ライブ・コーディング・パフォーマンス” を行うアーティストであり、プログラマーであるRenick Bell。なんと彼は東京在住で、都内でもライブを行なっている。

 

仕組みは分からなかったが彼の書くコードが音に変換されていき、グリッチなテクノを生成していた。顔色一つ変えずにコーディングをする彼を周りのオーディエンスも真剣に見つめている。そしてバックのスクリーン、会場中のモニターに彼の書いているコードが映し出される光景はなんともシュール。一般的なライブとはまた違った不思議な体験だった。

3ピースジャーマンテクノバンド KOMFORTRAUSCHEN

German Houseというドイツの企業が集まるイベントでは、ドイツのアーティストが連日ライブを披露していた。中でも圧倒的に盛り上がりを見せていたのはKOMFORTRAUSCHENだ。

 

彼らのライブが始まると今まで余裕のあったフロアに溢れるほど人が集まってくる。彼らはギター、ベース、ドラムでジャーマンテクノを演奏する3ピースバンド。30分という短い時間だったが、ほぼノンストップでミニマルなテクノを披露し、フロアは皆夢中で踊っていた。飽きる暇もなくあっという間に時間は過ぎ、かくいう僕も別日にも彼らのライブにもう一度踊りに行ってしまった。

インディーと分類されるアーティストは世界中にたくさん存在し、いろいろなシーンを形成している。今の時代に “インディーであること” は、そんなジャンルやシーンにこだわらず好きなものを掛け合わせ、表現そのものを更新していくようなあくなき好奇心なのだと感じた。そして表現の深化にはテクノロジーの進化が切っても切り離せない関係。そのことに気がついた瞬間に、このSXSWが音楽と同時にテックの祭典であることにも合点がいく。

 

SXSWには、本記事で紹介した紹介した3つのアーティストたちが際物として認識されることなく、その表現をしなやかに受け止められるような土壌がオースティンには間違いなくあるだろう。

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