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【シネマジプシー特別編】アメリカ、ディープサウスぶらり旅8日目

2019.04.04

川端 安里人川端 安里人

見てきた映画は数知れず。本人すらも分からない。(1万本を越えてから数えるのをやめたから)人呼んでシネマジプシー・川端安里人。彼から「旧友に「映画を撮ろう」と誘われて、ロケハンでにアメリカへ行ってきた」と、アンテナ編集部に連絡と原稿が届いた。目に映るのものがこれまで見てきた映画とリンクする彼が、南米で見てきたものはどんなものだったのでしょうか。

 

全9日分の記録をお楽しみください。

【シネマジプシー特別編】アメリカ、ディープサウスぶらり7日目の記事はこちらから

未知との遭遇

今日の目的地はニューメキシコ州ロズウェルだ。

オカルトに興味がない人のために説明すると、ロズウェルは1947年UFOが墜落して、米軍がそれを回収したという逸話のある町である。信じるかどうかはあなた次第。

 

そんな逸話があるもんだから『インデペンデンス・デイ』をはじめ、SF映画やドラマでは度々ネタに使われる町である。自分もO君もSF映画は大好きなので、言ってみればロズウェルは幼少期からの聖地なわけだ。

朝ごはんはマラソンにあるオアシスカフェで早めに過ごした。店のおばちゃんが「これから長距離ドライブでしょ?サービスよ」と出発前に紙コップに入ったコーヒーをくれた。優しすぎる。北西への約5時間の長距離ドライブも、この優しさで乗り切れる。

ロズウェルに来たら間違いなく行かなくてはいけない場所はUFOミュージアム。とにかくUFO、空飛ぶ円盤だらけ。何とも言えないいかがわしさだけど、結構来場者は多い。親子連れもいる。誰かと目が合うと「おっ、君も信じてる仲間だね」と言わんばかりのニコニコ顔だ。子供の頃見て震え上がった宇宙人解剖フィルムを再現したジオラマもあり、すっかり童心に帰ってUFOミュージアムを楽しんだ。

さすがの自分たち2人もUFOに対して食傷気味になってきたところで、近所のカフェに入ることにした。

コーヒーを飲みながら一息ついていると「やってるか~い?」とバンジョーを抱えた爺さんが入って来た。「ここは若者専用のお店なんですけどね」と笑顔でアメリカンジョークを返す店員さん。どうやら御馴染みの人のようだ。店の前で爺さんの演奏が始まる。写真で撮っていいものかと決めあぐねていると「撮りなよ」と言って帽子をかぶりだす。絵になる爺さんは「これはニューオリンズの音楽だよ」と言いながら演奏を続ける。まるで自分たちがそこから来たのを知ってるかのような選曲に少し驚いた。

気が付けば日が暮れそうな時間になっていた。ロズウェルでの短い滞在を惜しみつつ、再びメキシコ国境の町へと車を走らせた。

今日泊まる宿を探しながら、流れるニューメキシコ州の風景を眺めていた。ここまでとは少し違ってバラエティに富んでいて面白い。荒野もあれば森もある。

リンカーン国立森林公園を抜ける間にあたりが暗くなり始めたので、森を抜けた先にあるアラモゴードという町で泊まることにした。この町には“ビデオゲームの墓場”がある。伝説のクソゲー『E.T.』(もちろんスピルバーグの映画が元ネタ)が全く売れずに、制作元のアタリ社倒産がきっかけで“ビデオゲームの墓場”ができあがった。このクソゲーム史の一望は『アタリ・ゲームオーバー』というドキュメンタリー映画でご確認いただきたい。

この日は昔からやっているいい雰囲気のモーテルに泊まった。晩御飯を食べてモーテルに戻ると、おばちゃんが「お帰りなさい。おやすみ」と声をかけてくれる。部屋に戻りテレビをつけると『X-FILES』がやっていた。幼い僕たちの脳内にロズウェルという単語を刷り込んだ元凶だ。タイミング良すぎるだろと思われるかもしれないけれど本当のことである。

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