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『言志の学校』第一回レポート – 作ったからには読んで欲しい!読み手に届くフリーペーパーを考える –

2018.09.28

アンテナ編集部アンテナ編集部

言志の学校とは?

言志の学校(げんしのがっこう)はアンテナと只本屋の2団体がタッグを組んで作った、フリーペーパーやZINEを制作するための連続講義です!

 

1月に開催され、大好評だったフリーペーパー制作ワークショップ『TAKE OUT!!』から、より実践的な学びの場として派生しました。『TAKE OUT!!』ではグループになり、表現したいアイデアを出し合って新しいフリーペーパーを考え発表するものでしたが、今回は個々人に制作に取り組んでいただき、ひとり一冊のフリーペーパーやZINEを制作していただきます。本講義では作るだけでなく、流通にのせ、実際に手にとってもらうことも大きなテーマとしており、出来上がった作品は、12月1〜2日(土日)に台北で開催されるCulture & Art Book Fairに只本屋の商品のひとつとして出品されることが決定しています。

 

「作っても誰に見てもらえばいいかわからない」今回申込みをされた人の中にはこんな悩みを抱えている人も実際におられましたが、今回の講義ではたくさんの人に手に取っていただける機会もあり、身が引き締まると同時にとてもワクワクしちゃいませんか?

第一回目の講座では、そんなみなさんのワクワク感を多少裏切るような、極めて現実的な流通のお話と、さらなるアイディアの発展を求められるワークショップという、エネルギーを使う二つの講座が一緒になっていました!初回から飛ばしすぎじゃない?とちょっとハラハラしましたが、フリーペーパー制作の第一歩を踏み出せたんじゃないかと思います。

 

▼詳しい講座内容などはこちら

https://kyoto-antenna.com/post-23015/

1限目:自己紹介

さて、今回のスクールは9月から11月の間に4回にわたって講義が開催されます。

受講生は必ず一人一つのフリーペーパーかZINEを作らなければならないため、制作は個人で行いますが、共に学ぶクラスメイトとしてみなさんにも自己紹介をしていただきました。

 

クラスメイトのみなさんは年齢も興味もさまざまで、学生でフリーペーパーを作っていたという方や、今まで制作経験はないもののお仕事をされながら日々手帳に書き留めていることをまとめてみたいという方までおられました。

 

みなさんには普段されているお仕事や、今興味のあることを中心に3分間お話いただきましたが、意外にもフリーペーパーの制作経験がある方は、全体の3分の1ほど。何か発信したいタネを持っているものの、みなさんどうやって形にしたらいいかわからないといった方が多く、これから自分で本当にフリーペーパーが作れるのか、楽しみ半分緊張半分といった印象でした。

 

冊子をつくってみたいという方で、今までイラストや写真が好きでという方は多く見てきたのですが、今回は意外にも短歌に興味のある方が多かったり、個人的には今まで接さない界隈の方が多く、これからの三ヶ月がとても楽しみになりました。

2限目:フリーペーパーの流通

記念すべき第一回の授業として行われたのは、只本屋 代表・山田毅さんによるフリーペーパーの流通に関するものでした。

「こんな素敵なフリーペーパーがつくりたい!」

「おもしろいものがつくりたい!」

受講生の方はそんなことを考えて参加していただいたかと思いますが、少し目線を切り替えて、せっかく作るのであれば手に取ってもらえるようなもの、まさに流通に乗るようなフリーペーパーとは何かから考えます。

只本屋が見本として持ってきたフリーペーパーはなんと300種類以上。それを机いっぱいに広げ、みんなでその山の周りに集まります。実際に世に流通しているフリーペーパーを手に取りながら「なぜ人気なのか?」をそれぞれ掘り下げる時間となりました。

「たとえば地域紙であれば、どんなものが人気ですか?」

「どんなところに置いてもらえるといいんだろう?」

「歴代で、話題になったフリーペーパーは?」

「フリーペーパーとZINEの違いって?」

素朴な疑問から、答えに悩むような難しい質問までたくさん飛び出すのと同時に、思い思いのフリーペーパーを手に取り和気あいあいとした雰囲気で盛り上がっていきました。

 

すでに作りたいフリーペーパーがはっきりしている方は「どんなものが持って帰ってもらえるのか?」を自身の方向性に沿ったフリーペーパーから自主的に見つけているようで、早く自分で実践して作りたい!という気持ちが伺えるような授業となりました。

3限目:企画・アイディア

3限目のゲスト講師はNue inc.代表、プランナーの松倉早星さんを招いて、アイディアの膨らませ方に関して学びました。

 

松倉さんは崇仁新町のプロデュースなど、京都内外を問わず各地で話題をさらっているアイデアマン。彼の講座を受けたくて言志の学校に申し込んだ、という受講者もいたほど。なんと学生時代に自らフリーペーパーを制作していたこともあり、自身の今を支える発想力を「フリーペーパーから学んだ」とか。益々みなさんの士気も高まったんじゃないでしょうか。

たくさんのインプットをもって挑むのが、松倉先生のアイディアの授業です。ワークショップ形式になっていて、”今興味のあるワード”を中心に関連するワードをA4の紙に時間制限いっぱいに書き出します。書き出したワードから面白い繋がりを探しアイディアの種を作ることで、今まで凝り固まっていた思考をほぐしていきます。

 

ここでは少し空気が変わり、みなさん少し真剣な顔つきに。10分間が何倍にも感じらるほど、みなさんも普段使わない頭を使ったんじゃないでしょうか。

サクサクとアイディアを書いていく人もいれば、なかなか言葉に書き出せず腕を組んで悩み込んでしまう人も。しかし、そうして練られたみなさんのアイディアは本当に素晴らしいものばかりでした。当初お聞きしていた”今興味のあるワード”が意外な方向に発展して、個人的に面白そうだなと感じたものを少しだけご紹介したいと思います。

 

”あなたの思い出、換金します”

過去の恋愛をインタビューし、そのお話を金額に換算すると…?というもの。

発想のタネになった元のワードが”癒し”というのもとっても気になるポイントでした。

 

”カテキン中毒”

タバコとお茶のフリーペーパー。お茶にめちゃくちゃハマっている!という方のアイディアでした。確かにどちらも葉っぱで、どちらもリラックスしたいときに使用されます。

そんな二つの掛け合わせの発想、とっても面白くなりそう!

 

アイディアがうまくまとまらず、途中になってしまった方もいたんですが、メモを見ながら一緒にヒアリングして、他の人とアイディアを出し合う場面も。伝えたいことやアイディアをみんなで磨いていく贅沢な時間になりました。

この講義後には「当初思い描いていたテーマと思わぬ方向になってしまった」という方もいるんじゃないかと思います。私も「あれもこれも発信したい!」とガチガチにテーマを作り込んだり欲張ってしまうタイプなので、発表のあとにそんなことを伺ってとても共感したんです。

 

しかし、こんなに真摯に取り組んで出てきたアイディアなのでたとえ思わぬ方向だったとしても、面白くないはずがない。一度チャレンジのような気持ちで作ってみるのがいいと思うんです。またそんな不安も、いろんな人と話していくとまたさらに昇華されていくんじゃないかなと思うので、もっとみなさんと意見交換しあいたい!自由に意見交換しあえる、この学校がそんな場にできたらと考えております。

第二回の講座もお楽しみに!

次回の講座はライティングと編集について。京都文鳥社の土門蘭さん、柳下恭平さんにゲスト講師としてお越しいただきます。テーマは「書きたい」「読みたい」を形にする方法。

 

すでに文章を書くことに慣れている人も受講者の中に何名もいらっしゃったので、初心者向けというよりは、中級者向けのより深い学びの場になるのではないでしょうか。次回の講座もとても楽しみです!

文:岩城玲(只本屋)

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