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【SXSW2018】最先端の技術を直に体験『SONY WOW Studio』レポート

2018.03.22

長井 和裕長井 和裕

SXSWではミュージックの他に、インタラクティブやフィルム、コメディもイベントの柱としている。

 

ミュージックがSXSW期間中の中盤から始まるのに対して、インタラクティブの出展はSXSW開幕にあわせてスタート。イベントの中心となるコンベンションセンターのホールを使って開かれるトレードショウへの出展や、PanasonicYoutubePinterestといった企業のように建物を借り切ってブースを出しているケースもある。

 

アンテナではミュージックを中心としてSXSWのレポートを上げているが、ミュージック以外の側面も知ってもらいたいので、私からはインタラクティブ系の記事を何本かお届けしようと思う。今回はSONYのブース『WOW Studio』のレポート。WOW Studioを取り上げる理由としては、思わず長居をしてしまうくらいに時間を忘れて楽しんだことが大きい。

会場はコンベンションセンターから南に位置するTrinity warehouse。WOW Studioでは計10個のコンテンツが展示されており、AR/VRを用いた仮想体験ができるコンテンツが占めている。

特に力をいれていると感じたのは、波面合成技術を用いた音のVR。足音が徐々に近づいてくる、遠くで波の音がする、うめき声が前後左右から聞こえる……といった音の遠近を使う技術で、目をつぶっていても『音だけ』で十分な奥行きを感じられる。ヘッドギアを装着する視覚のVRではひとりで楽しめる一方で、誰かと共有して楽しむことが難しい。しかし、音のVRであれば複数人でも同時に場を共有して体験することができる。

Ghostly Whisper

音のVRを軸としてホラーコンテンツを提供する『Ghostly Whisper』。ユニバーサル・クリエイティブとのコラボレーション作品だ。音のVRによる体験に加えて、鐘が鳴り出す、遠くからのささやきが近づいていく、椅子が突然振動するといった演出が加わることで怖さが増していく。5.1chや映画館の4D体験に近いかもしれないが、誰もが平等に享受できる点が違いとなる。

劇中に配られたカードを投射されたプロジェクターに置くと、カードからイラストが飛び出してくる。カードはランダムに配られているようなので、カードに応じた演出(劇中を含め)が用意されているのが気になるところ。ちなみに私のカードの『The Tower』は、正位置・逆位置のどちらともネガティブな意味を持つ唯一のカード……。

音響廻廊 Odyssey

複数台設置されたプロジェクターの映像と576個のスピーカから流れる音の波に包まれる『Odyssey』。涼し気な音楽が上下左右から横断し流れてくる。この日のオースティンは快晴で、WOW Studioのブース内はじわりと蒸し暑かったのだが、汗が引くくらいの清涼感である。

サッカーVR

ここまでは音のVRコンテンツを紹介してきたが、視覚でのVR体験の展示もあった。『サッカーVR』では、VRの世界でキャプテン翼の若林くんと対戦することができる。ゴールキーパーの挙動はAIで決定されており、蹴ろうとした人の動きから予測しキャッチングに動くそうで、人とは違い「こっちだ!」と読みが決まったら躊躇なく横っ飛びをしてくる。何人かのPK対決を観戦していた様子では、ゴールが決まるか決まらないかは五分五分といったところ。若林くんが止めると誇らしげにセリフを言うのもポイントのひとつ。ここではゲームとしての展示だが、将来的には実際のサッカー選手が行うPKの練習にも生かされていくのではないだろうか。

Interactive Tabletop Projector

4台のプロジェクターと楽器のオブジェクトを組み合わせたプロジェクションマッピングで遊ぶことができる。4人それぞれに色が割り当てられ、指をかざすと担当している色のスポットライトが指先に照らされる。テーブル中央のミラーボールから楽器に向けて色の波が流れ、波と同じ色のスポットライトで楽器を照らすと音が鳴る。音の波は色を変えていくので、ときにサックス、ときにドラムと瞬時に担当色のスポットライトで照らさないといけない。

写真の中央奥の人は青色担当で、ドラムにスポットライトを照らしている。
いわゆる音ゲーに近く、複数人で一つの曲を奏でるおもしろさがあった。ゲームセンターにあったら流行りそうである。

3Dクリエーター

頭部をスキャンすると3Dのアバターが作成され、自分の分身をゲーム参加させられる。ポイントはスマートフォン端末の『Xperia XZ1』だけで3Dアバター作成ができること。スマートフォン1台でここまでできてしまうのだ。

椅子に座るとXperia XZ1のついたアームが四方八方に動いて頭部をスキャンする。視線を動かさずに耐えるのがポイント(私は知らず知らずのうちに動いていたようで3回撮り直した)。

結果としてSONYのブースに3時間滞在したのだが、やはり体験のできるコンテンツ多さによるものが大きい。技術をどう使うか、どのように使われているのか理解を深めるには体験をすることが手っ取り早い(そして時間がどんどん経っていく…)。

 

総じて感じたのは、最先端の技術をよりユーザーの生活へ近づけようとしている、近づいてきているという点である。プロジェクションマッピングといえば、建造物に投射された大規模なものを思い浮かべると思う。しかし、『Interactive Tabletop Projector』は、自身の遊びの中にプロジェクションマッピングが組み込まれている。

また、『3Dクリエーター』は携帯ショップで購入ができるXperia XZ1にアプリをインストールすれば誰でも使うことができ、音のVRの技術を使ったコンテンツは近いうちにテーマパークといった商業施設に導入されるだろう。WOW Studioの各展示は、新しい技術の見本に留まっておらず、新しい技術が溶け込んだ未来暮らしをイメージすることができた。

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同会場で開かれたLOST IN MUSIC

WOW Studioの会期が終わると、同じ会場でSONYが主催する音楽イベント『LOST IN MUSIC』が開かれた。

ライブと並行してOdysseyの展示は継続して行われており、VRコンテンツも体験ができる。

編集長の堤が記事中で触れているように、SONYのブースはインタラクティブとミュージックの連携がとれているケースのひとつだろう。やはり、インタラクティブの参加者はインタラクティブのみに参加している人が多いように感じた(インタラクティブの期間が終わると日本人をあまり見かけなくなるものその例である)。来年のSXSWでは、インタラクティブとミュージックが融合し、横断して楽しめる動きを出展企業に期待したい。

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