COLUMN

ジャケ買い報告会 – 家ガール① billy mahonie / found –

2017.11.14

小倉 陽子小倉 陽子

「ジャケ買い」をしよう!

皆さんは「ジャケ買い」をしたことがありますか?ジャケ買いしたことがある人は経験をしたことがあるかとは思うんですが、なんとはなしで買った一枚が大切な一枚になったりして、独特なわくわく感がありますよね。ネットで音源をいくらでも試聴できてしまう今だからこそ、自分の感性を信じて音源を買おう!というこちらの企画、アンテナライター班の3人(キャシー・山田和季・小倉陽子)がそれぞれの感性でCD・レコード・カセットテープなどをジャケ買いしその成果を報告し合う連載です!

 

京都の地からスタートしたアンテナも気付けば拠点を少しずつ広げ、今回のライター3人もばらばらの場所に住んでいます。そこで、それぞれが各地のレコードショップを1店舗ずつ担当することにしました。各担当はこちら!

 

【京都】 JET SET KYOTO × 家ガール

【大阪】 FLAKE RECORDS × かずー

【名古屋】 STIFF SLACK × キャシー

 

今回はここ数年で音楽好きが再加熱した、引きこもり系OLの家ガールが何年振りのジャケ買いに挑戦。JET SET KYOTOにて選んできました。あえてyoutubeなどの音が聴けるようなリンクは用意していません!ぜひあなたも店頭に行って作品に直に触れてみてください。

【今回のジャケ買い】

アーティスト名:billy mahonie

作品タイトル:found

バンド女子キャシーとかずーに交じって、バンドしたことない女子の私、家ガールもジャケ買い報告会に参加することになりました、よろしくお願いします!

私の第一期音楽好き期(10代の頃)は、それこそネットで情報を得るという選択肢はなかったので、新しい音楽と出会うのにジャケットを判断材料にするという楽しみ方は溢れていたように思います。でもいつしかネットでちょいと調べればなんでも情報が出てきて、聴いたことない音楽だけど賭けてみようみたいなワクワクを感じる音源の買い方はしなくなってしまいましたね。ライブだと今でも名前も聴いたことなかったようなミュージシャンとの出会いとかあるんだけどな……。

 

何の情報もない中で、唯一「何か気になるジャケット」を選ぶという自分の感覚を頼りに買い物をする。これはとても久しぶりのワクワクです!で、今回私がJET SET KYOTOで選んできた音源が上記のこれ。何かつくりこんで撮影してある写真ものに惹かれがちなのですが(あとでデザインとしてあまり手を加えていないもの)これは繊維状の編み物作品みたいな複雑なグリーンが森みたいで気になるなーと思って思わず手に取りました。よく見るとここに人が。

タイトルの下の白っぽいところ。森の中にポツンとひとり。彼のことをひとりぼっち君と名付けて愛でることにしました(勝手に)。ちなみに盤面のショッキングピンクの部分は裏ジャケットのこれなんですね。

これもジャケットで見ると毛糸とリボンみたいな素材のよう。花なのか、血液なのか、もっと違うものなのか。色々想像を掻き立てられます。

 

先に結論から言うと、こちらインストでした。歌はもちろん人の声のようなものは全くなし。比較的歌ものを好んで聴く私ですが、それでも楽器の音がカッコ良ければそれで良しというところもあるので、今回計らずもインストものを選んで「やった!」という気持ち。歌詞という情報がない音楽って、まず言葉に惹かれて引っ張られてしまう私には中々出会いがないので、嬉しい出会いでした。

 

M1の始まり、おどろおどろしいベースの上に冷んやりしたドラムが重なって、「お、これはクールに堕ちられる感じで好きな音楽では……?」と思うもつかの間、キーボードの音が重なると思ったよりのどかな優しい感じに聴こえて「なんだ、可愛いところあるじゃん……」と安心する。と思ったがまたもつかの間、ジャギジャギに歪んだツインギターが不協和音を畳みかけてきて全然安心出来ない……カッコ良いけど1曲目から凄く振り回される感じ。うん、嫌いじゃない。

 

1曲1曲がいちいちドラマティックで、休日の昼下がりに珈琲でも飲みながら読書のお供に聴きたいわ、なんて思っていたら後半急に激しく荒れて胸がざわざわしてとても読書どころじゃなくなったり。静かで穏やかな気持ちで聴いていたのに、突然悲しい気持ちを掻き立てられたり。全体的にクールで乾いたスネアの安定したリズムと、低音からふつふつ地を這っていたかと思えばゆらゆら翻弄するような強いベースに終始ときめきは止まらない感じでした。その上に、優しく悲しい音を奏でていたかと思えば突然ギュインと唸って自己主張の激しさを増すギターにもずっと振り回されっぱなし。何なの、ツンデレなの?ポストロックと位置付けられるような音楽のイメージである、あからさまな変拍子の襲撃や冷たくて曇った感じの曲調ばかりではなくて、独特の生温さと違和感のない高揚がとても気持ち良い作品。

 

M8で急にUFO着陸みたいなスペイシー効果音のイントロが始まったと思えば、ユニゾンするベースとギターに切迫感を煽るドラムで、ずっと何かに追い立てられたまま終幕するショートチューン。動機。ラストのM13はサンプリングされたようなホーンの音が加わって、全体のハードボイルド感が増していて、メロウなのに切迫している感じが物語のクライマックスのようでもあり、いつの間にか大人になったような深みを感じる風でもあり。全体的に全ての曲が5分前後なのに対して、このM13は21:05分との表示。勘のいいリスナーの方ならどういうことかすぐ分かるでしょう。

 

このアルバム、調べてみると実はシングルコレクションなんだそうで、つまり同時期に作られたものじゃなくてある期間にリード曲として発表された楽曲が時系列に並んでいるんですね。そういうのも含めて、ひとつひとつの楽曲にストーリーがある上に全体にも物語が見えて、そしてそれをラストまで聴き終わって、納得する感覚。

 

何となく勝手にジャケットのひとりぼっち君の人生のドラマを感じたりしながら妄想を膨らませ過ぎました……言葉がない、歌がないというのは自由で楽しいですね。ちなみに若干楽曲を男性に置き換えがちな感じはかずーとキャシーに引っ張られていますが(笑)でも女子あるあるなんじゃないでしょうか。

 

 

JET SET KYOTOはアナログ盤の品揃えがとっても豊富なので、次はレコードのジャケ買いもしてみたいな。

JET SET KYOTO

日本最大級のヴァイナル・メガストアとして、HipHop、House、Techno、Jazz、Soul、Reggae、Indie Popまで、国内外の良質な音楽をオールジャンルで取り扱う。輸入盤に関しては毎日海外から直接入荷、世界でもトップクラスの入荷スピードと品揃え。CDも国内インディ・アーティストをメインに取り揃えており、自主制作盤も充実しています。

 

〒 604-8006

京都市中京区河原町通三条上ル下丸屋町410番地 ユニティー河原町ビル6F

営業時間:13:00 – 21:00

定休日:1月1日(元旦)

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