INTERVIEW

ムッティーの”マインド”ハシゴ酒 vol.2~music studio hanamauii(ハナマウイ) 宮 一敬編

2017.10.08

小倉 陽子小倉 陽子

ムッティーの”マインド”ハシゴ酒

ムッティーが気になる人とお酒を飲みながら、気になる人の”マインド”とそのマインドによってもたらされたお店の話、音楽の話を掘り探っていく企画『ムッティーの“マインド”ハシゴ酒』第2回目のゲストは、ムッティーと同じく西院でスタジオを営む『music studio hanamauii(ハナマウイ)』の宮一敬さん。バンドを続けながらも、西院という土地で13年続くスタジオを自ら立ち上げた宮さんのマインドに、好奇心でもって迫ります。

音楽を仕事にする=プロミュージシャンしか選択肢が無いと思っていた

ムッティー:

まずなぜ宮さんがスタジオ経営をすることになったか、というところを聞かせて下さい。

宮:

学生のときにYOGURT-poohってバンドをやっていたんだけど、四年生のときにメジャーデビューの話がきたんだよ。どうせなら絶対音楽を仕事にしようって決めて、大学も辞めて。

ムッティー:

上京したんですか?

宮:

いや、結局東京には行かなかった。当時は音楽を仕事にするって「メジャーデビューしてプロミュージシャンになる」しか選択肢が無いと思っていたから東京に行かなきゃ!と思っていたんだけど、メンバーが行きたくないって言って。

ムッティー:

じゃあYOGURT-poohは京都在住のままメジャーでやっていたんですね。

宮:

そうだね。でもメジャーってやっぱり数字で結果を出さなきゃいけない世界だから、作品性も含めて思い描いていたバンド運営が出来なかった。結局、契約更新も無かったしYOGURT-poohで続けていきたい気持ちもなくなっちゃったから、辞めてね。その後のことを考えたときに2つ選択肢があったんだけど、ひとつは上京してプロのベースプレイヤーを目指す、もうひとつは京都でスタジオを立ち上げる。自分は一番何がしたいか考えたら、ベースプレイヤーになりたいわけではなくて、バンドがやりたいんだなって思って。それなら京都で足場を作って、自分のやりたいバンド活動をするのがが面白いんじゃないかな、というのがハナマウイ設立のきっかけだね。

ムッティー:

今でこそ土台固めてバンドはバンドでやるっていう考え方は割と浸透していますけど、その当時はそういう考え方ってあまりなかったですよね?

宮:

ミュージシャンでそういうことをしているのは、マザーシップスタジオのラリー藤本さんぐらいだったかな。CHAINSの。

ムッティー:

僕もスタジオはそもそもバンドを続けるために始めたんですよ。経済的なことだけじゃなくて、ちゃんと自給自足出来るように、音楽的にも足場を固めようと思って。スタジオを続けるノウハウは自己流なんですか?

宮:

ずっと手探りだったよね。バンドメンバーが集合するのに西院辺りがアクセス的に一番いいんだけど、当時この辺にあんまり使い勝手の良いスタジオがなかったから、とりあえずここでリハーサルスタジオをやろうって思って。音もそれなりに良いから最初はリハスタだけで経営が成り立っていたんだけど、何年かして某大手スタジオの出現でそれだけでは成り立たなくなってきて。

ムッティー:

今リハスタだけではどこも厳しいですよね。

宮:

で、スタジオに予備の機材を置いておくんだけど、そうしたらその機材をただ寝かせておくんじゃ勿体ないからって、レンタル業が形になってきて経営を支えるようになってきたんだよね。あとは以前music studio SIMPOの小泉さんがここで働いていたときはレコーディングもやっていたんだけど、小泉さんが独立しちゃってからレコーディングはやっていなくて。でも問い合わせが結構たくさんくるので、「だったら宮さんがやったらいいじゃないですか」って周りから言われて。

ムッティー:

僕のバンドのレコーディングでもお世話になりましたもんね。

宮:

レコーディングなんて全然やる自信がなかったんだけど、そこにお客さんがいるわけだからやるか、という気持ちで始めたんだよね。

どんな仕事でもまず「やります」って言って、自分を叩き上げるスタイル

ムッティー:

リハスタ、レコスタ、機材レンタル業……他にもされていますよね?

宮:

あとは機材レンタル業から派生して結婚式とかレセプションパーティーのPAの仕事が舞い込んできたり。「スーツ着用で7人、3日間来て下さい」って。

ムッティー:

それも引き受けるんですか!?

宮:

俺は基本的にどんな仕事でも断らないで、まず「やります」って言うタイプなんだよ。最近だとショッピングモールでやるアイドルイベントのPAのオファーがきて、月2回ペースで固定になったりして。どちらかと言えばアイドル文化否定派だったのにね (笑)

ムッティー:

PAはハナマウイを始めてから勉強したんですか?

宮:

そうだね。スタジオ立ち上げた頃はまさかそんな仕事をするなんて思ってもいなかったよ。

ムッティー:

しかも初めは手探りの状態なのに、本番一発勝負であくまで”PAが出来る人”として行くわけですから……それって本当にすごいですよね。

宮:

出来ないのに出来るって言ってやるんだもんね (笑) 。そりゃ思い出したくないような失敗もあるよ。慣れない頃は本番前に不安でえづいたりしていたし。でも何でもやらないと身につかないし、良くならないからね。

ムッティー:

もう次はやらないでおこう、って思うことはないですか?

宮:

お客さんが次はないなと思ったら二度とオファーして来ないわけだし、再びオファーしてくれるっていうことは求められているってことだから、じゃあ次もっと精度を上げるためにはどうしたらいいか、って真剣に考えるよね。次を選ぶのはお客さんだから、それに応えるだけかな。

ムッティー:

そうやって全部自分の能力として掴んでいっているんですね。

宮:

時間はかかっているけど、少しずつね。自分を叩き上げるっていう感じで生きているから、ベースもPAもちゃんと誰かに教わってやったことがないんだよ。それでも本当に悩んだときは、人脈の中から出来る人たちを捕まえて、いっぱい質問して勉強するかな。

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