演劇ユニット・したため#5『ディクテ』が6月22日〜6月25日アトリエ劇研にて上演

2017.06.21

齋藤 紫乃齋藤 紫乃

 

 

 

アトリエ劇研創造サポートカンパニーとしての最終年の公演として、京都を拠点に活動する演劇ユニット・したためがテレサ・ハッキョン・チャの著した実験的テクスト『ディクテ』に挑みます。

 

 

したためは、2011年の活動開始以降、日常の視力ではとらえられない厖大な細部を言葉と身体によって接写するように、出演者自身の日々の生活のドキュメントから、あるいは他者がすでに書いたテクストから、作品を立ち上げてきました。 2015年には審査員たちから評価を受け、FFAC企画創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞を受賞。その活動範囲を着実に広げ、また深めています。

 

 

作家・多和田葉子の初期の短編小説をテクストに発表した#4『文字移植』に続いて今回したためが挑むのは、テレサ・ハッキョン・チャの実験的テクスト『ディクテ』です。韓国に生まれ、軍政を逃れてアメリカに移り、コリアン・ディスアポラとして複数の言語を生きたチャ。 『ディクテ』では、複数の言語による記述、挿入される図像、章ごとに異なる多様なエクリチュールが駆使され、歴史、記憶、ジェンダー、言語、見ること/聴くこと/書くこと、信仰――さまざまな要素が複雑な織り目をなし、そこに触れるものの声を刺激してやみません。とりわけ、言語と記憶、そして朝鮮半島への日本による加害を含む歴史に関するチャの熾烈な問いは、『ディクテ』の出版と彼女の死から35年経った現在でも、読み手に鋭く迫ります。 他者への想像力が痩せ、表層的な言葉ばかりが横溢し、深刻な分断の中に生きる私たちは、いま、チャの声に、どのように応答することができるでしょうか。

 

 

2011年、したためとしての初めての公演からずっと本公演を行ってきたアトリエ劇研での最後の公演。したための飽くなき挑戦に、どうぞご期待ください。

 

 

▼以下、『ディクテ』について

 

彼女は、発声の重圧のびっしり混みあった動きのなかで、それらが通り抜けようとする只中、自らを名も知れぬものとしてその場にとらわれたままにしておく。

 

 

休止はすでにすみやかに始まっていて、静かに休止したままだ。彼女は休止の内部で待つ。彼女の内部で。さあ、今だ。まさにこの瞬間。今こそ。彼女はすばやく空気を吸い込む、いくつもの裂け目のなか、生起する距離に備えて。休止が終る。声はもう一つ別の層を包み込む。待っていたために、今やいっそう濃密になって。言おうとすることの苦痛から、言わないことの苦痛へ、待機。さあ。

 

 

したため #05『ディクテ』

 

原作|テレサ・ハッキョン・チャ 「ディクテ 韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール」(青土社) 翻訳|池内靖子 演出:和田ながら 出演|飯坂美鶴妃 岸本昌也 七井悠 山口惠子(BRDG)

 

和田ながらの演出ノートはこちら >> https://www.facebook.com/notes/1854794748178828/

公演の見どころはこちら >>
https://www.facebook.com/notes/1854793058178997/

 

 

日時

2017年6月22日(木)~25日(日)

22日 (木) 19:00

23日 (金) 14:00/19:00

24日 (土) 14:00*1/19:00

25日 (日) 14:00*2

※受付は開演の30分前

 

ポストパフォーマンストーク

終演後、ゲストをお招きして作品にまつわるトークを実施します。

*1 ゲスト 合田団地(劇作家・演出家/努力クラブ)

*2 ゲスト 池内靖子(「ディクテ」翻訳者)

 

会場

アトリエ劇研 〒606-0856 京都府京都市左京区下鴨塚本町1 TEL 075-791-1966 (月〜土 9:00-17:00)

 

チケット料金

一般:前売2,500円 当日2,800円/学生:前売1,000円 当日1,300円

トリオ 6,000円/高校生以下 無料

※トリオは、同一回に3名でご来場の場合、ご利用可能です。

 

チケット取り扱い: 

[ウェブ] 専用フォームよりお申込みください。>> https://www.quartet-online.net/ticket/shitatame_05

[メール] info.shitatame@gmail.comに希望公演日時/お名前/券種/人数/ご連絡先を明記の上メールをお送りください。こちらからの返信を以てご予約完了となります。

[窓口販売]

京都芸術センター(10:00-20:00) 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2

喫茶フィガロ(10:00-18:00、月曜定休) 京都市左京区田中上大久保町13-2 ネオコーポ洛北1階

[演劇パス(クレジットカード決済)] http://engeki.jp/pass/events/detail/220

 

クレジット

照明:吉田一弥

音響:甲田徹

衣装:清川敦子(atm)

舞台監督助手:北方こだち

制作:渡邉裕史

宣伝美術:岸本昌也

京都芸術センター制作支援事業 共催:アトリエ劇研 主催:したため

 

 

したため

京都を拠点に活動する演出家・和田ながらのユニット。名前の由来は、手紙を「したためる」。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいはとらえそこないつまづくさまを連ねるように作品を制作する。また、美術家や写真家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。

 

原作者|テレサ・ハッキョン・チャ Theresa Hak Kyung Cha

1951年プサン生まれ。韓国軍政を逃れて1962年ハワイに移民。1964年からサンフランシスコ在住。カリフォルニア大学バークレー校でフランス文学、比較文学、芸術学などを学ぶ。1976年パリ留学。1977年合衆国に帰化。1979年と81年に韓国へ帰国旅行。1980年ニューヨーク転居。1982年、暴漢に殺される。アメリカにおけるアジア系女性を代表するアーティストとして、布や紙の作品、映画、ヴィデオ、写真、パフォーマンス、詩などを多数残した。

 

和田ながら

1987 年生まれ。横浜出身。京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸 術研究科修士課程修了。学部生時代から、演出助手、舞台監督、制作など、さまざまな立場から舞台芸術の現場に関わる。 2009年10月、初の演出作品として卒業制作公演『したため』を上演。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を 拠点に演出家として活動を始める。演出家としての活動と並行して、制作スタッフとしてもダンスや演劇などさまざまな企画に関わる。2013年よりDance Fanfare Kyotoの運営に携わる。

 

舞台美術|林葵衣 はやし・あおい

京都造形芸術大学情報デザイン学科映像メディアコース卒業、同大学大学院修士課程修了。京都を拠点に、美術家として身体と思考のズレをテーマとした作品制作を行う。近年の活動として、声を図像化する試みを作品化した個展「水の発音」(2016年3月/アートスペース虹・京都)、自身の作品のルールを他人と共有し、演奏に見立てるワークショップを行った個展「Public Score」 (2014年3月/つくるビル・京都)などがある。

 

出演|飯坂美鶴妃 いいざか・みずき

静岡県出身。高校時代より演劇を始め、大学では「劇団西一風」に所属し、引退後もフリーで京都にて活動中。主な出演作に、下鴨車窓#12『漂着(island)』、『石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ』(演出:和田ながら)、ユバチ#2『点と線』、ベビー・ピーの短篇集『裂けていく』など。

 

出演|岸本昌也 きしもと・まさや

滋賀県出身・東京在住。神楽を始めたことをきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業後、座・高円寺劇場創造アカデミーにて舞台芸術を学ぶ。これまでに地点、カンパニーデラシネラ、エイチエムピーシアターカンパニーなどの作品に出演。石見神楽東京社中在籍。

 

出演|七井悠 なない・はるか

2004 年〜2008年、劇団態変に演出補佐として所属。2008年〜2012年、京都ロマンポップに所属し、ほぼ全ての公演に参加。近年の参加作品に、したため『葵上』 『わたしのある日』、Recycle 缶の階『話すのなら、今ここにないもののことを話したかった。今ここにないものの話ばかりしようと思った。』点の階『・・・』など。

 

出演|山口惠子 やまぐち・けいこ

イギリスで演劇を学ぶ。俳優として、マレビトの会『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』、『イキシマ』『石のような水』(演出:松本雄吉、作:松田正隆)、『十 九歳のジェイコブ』(演出:松本雄吉、作:松井周)『レミング』(演出:松本雄吉、作:寺 山修司)などに出演。2011 年、川那辺香乃とBRDGを立ち上げ、京都に住む海外からの移住者へのインタビューを元に作品を創作。2016年にイギリス公演を行った。

 

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