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俺の人生、三種の神器 -高石瑞希 ③ラブリーミッチー編-

2017.08.15

高石 瑞希高石 瑞希

 

▼俺の人生、三種の神器とは?

人生の転換期には、必ず何かしらきっかけとなる「人・もの・こと」があるはずです。そのきっかけって、その当時は気づけないけれども、振り返ると「あれが転機だった!」といったことはありませんか?そんな人生の転機についてアンテナ編集部で考えてみることにしました。それがこの「俺の人生、三種の神器」。

折角なのでもっとアンテナ編集部員ひとりひとりのことを知ってもらいたい!そんな気持ちも込めたコラムです。これから編集部員が毎週月曜日に当番制でコラムを更新していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

”らぶたかいし”というテーマソング(替え歌だけど)の入ったCD-Rをもらったのは2010年の夏。同じ中高の軽音楽部にいたバンド、ラブリーミッチーからの17歳の誕生日プレゼントでした。

 

 

今も昔も、「歌を贈られる」というのは人生の一大事であります。

悲しいかな、こういうプレゼントはロマンティックであるが故にアツかったりサムかったりが過ぎるものですが、友達にもらうなら手放しの大喜び。家宝……にするかはさておき、これは他のどこを探してもこれ以外にない大切な思い出の品。ミニアルバムと銘打たれた8曲入りCD-Rの中には、ほとんど笑い声しか入っていない30秒ほどの謎トラックもあり、最初から最後まであの頃の部室の湿った空気が充満していました。

 

 

ああ、思い出すなあ。掃除の度に出てくるモルモット大のホコリとか、誰かのお弁当の匂いとか、先輩がタッパーに餅入れて育ててたカビとか……うわ、なんか気持ち悪くなってきた……オエェ……。

 

 

手元の資料によると、女子高生バンド・ラブリーミッチーの2010年は大変にぎやかでした。年頭にFM802主催の音楽コンテスト「MUSIC CHALLENGE」でセミファイナル進出、夏は八十八ヶ所巡礼などと共演したほか、「音楽甲子園」の決勝に進出し東京遠征。11月はMINAMI WHEEL*に出演したりと、傍から見ていてもすごい勢いでした。そして、この1年間は近くにいた私にとってもかなりダイナミックな人生の転換期だったと記憶しています。ライブハウスのイベントに次々と足を運ぶきっかけも出来たし、バンドのアートワークとして絵を描いたりしたのも、この時が初めてでした。

*ミナミ・ホイール……大阪府ミナミ地区で毎秋開催されるライブサーキット。20以上のライブハウスで同時開催される大型イベントで、2010年は3日間・計340組が出演した。

 

 

MINAMI WHEEL出演時、イベントの企画グッズとして制作された缶バッジ。りんごをかぶっているのはバンド名の由来になった同級生「ミッチー」。自分の絵が「モノ」に変身したのは嬉しい驚きでした。

 

 

 

 

 

名ばかりマネージャー a.k.a 金魚のフン

 

 

MINAMI WHEEL出演前の一コマ、左からBa. かずお(作詞担当)、Gt./Vo. あげ(作曲担当・現在テトラサイクルでも活動中)、Dr.らてぃ、Gt. 柿ピー。

 

 

ラブリーミッチーとは2008年8月に結成された4人組のガールズバンドで、ライブはお揃いのオーバーオールを着て、だいたい3分以内の曲を次から次へと演奏するというスタイルでやっていました。一度のライブで10曲くらいやる。レコーディングも4時間で13曲録る。フィジカル強すぎです。いかんせん友達のバンドなのでさっぱりと音楽性の説明をするのが難しいのですが、周りの大人たちは「ローファイ・アートパンク」と呼んでいました。なるほどね。こちらは(たぶん)代表曲の”ME・N・MA” 2016ver. 

 

 

 

 

 

そして経緯はすっかり忘れてしまいましたが、気がつくと私は彼女らのマネージャーということになっておりました。ここでいうところのマネージャーとは実に名ばかりで、マネジメント的な仕事は一切せず、むしろ追っかけに近いこと—客席の前のほうで観るとか—をしていました。ライブハウスで「ラブリーミッチーの金魚のフンです」と自己紹介して知り合った人たちの中には、今も付き合いのあるバンドマンやイベンターさんがいます。いやあ本当に、当時の私ときたら図々しくてよろしい。学校・家・絵の予備校を行き来する、わりあい閉じた生活をしていたせいか、ライブハウスではすごく開放的な気分で社交的に楽しんでいました。

 


こうして半分ファン、半分スタッフのような立ち位置でいたので、バンドがコンテストに出たり大きなイベントに呼ばれたりするとすごく嬉しかったのを覚えています。コンテストやライブのフライヤーをもらってきてはマメにノートに貼っていました。友達の名前がそこにあったら、やっぱりはしゃいじゃう。

 

 

 


いっぽう当の本人たちはとにかく楽しいからやっているという感じで。高校卒業後、進路の関係でメンバーの所在は散ってしまったものの、昨年3月に約5年ぶりの復活ライブをした時は相変わらず楽しそうでした。次は何年後か分かりませんが、歌を贈られた身としてはぜひとも末永く続けていってほしいと願うばかりです。

 

 

 

 

さいごに

 

 

直接なきっかけになったわけではないにしろ、私が大学時代からバンドを組んでいることも、もとを辿ればラブリーミッチーに行き着くのかもしれません。今思えば心のどこかに強い憧れがあったとか、なかったとか。身内の話なので半ば手前味噌ながら、ラブリーミッチーのことを記録として残せてよかったと思います。バンドのモバスペ、なくなっちゃったしね……。

 

 

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