こだわりとうふ崎出屋

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「お客さんの顔が見える一対一の商売がしたい」と、店舗を閉めた後は毎日のように移動販売を続けている”崎出屋”という豆腐屋がある。今ではすっかり珍しくなってしまった移動販売だが、ラッパを鳴らしながらコースを走れば、必ず顔を出し購入していく熱心なファンが絶えない。 店長の崎出さんは独学で豆腐作りを学んだ。大豆の仕入れからにがりの配合まで各工程で妥協されることはなく、完成するその豆腐は絶品。また豆腐だけでなくお揚げや、がんもなど品数も豊富でどれも人気商品となっていて、もちもちとした食感に病みつきになるはずだ。「豆腐は毎日のように食べるものだから、気軽に手にとれるものであって欲しい」と崎出さんは語る。お店は加茂川付近店にあり、散歩ついでに毎日寄ってしまいたくなるような豆腐屋だ。

 

INFORMATION

 【住所】 京都市北区大宮田尻町88

【定休日】 月曜日 第一日曜日

【営業時間】 10時~18時

【電話】 075-492-1278

 

 

 

 

 

上賀茂にある豆腐屋、”崎出屋”の店長・崎出さんにお話を伺ってきました。豆腐に対するこだわりは もちろんのこと、話していて感じたのは自分の手でお客さんへきっちり届けたいという強い想いでした。くったくなく笑う崎出さんの顔を毎日でも見に行きたくなるようなお店です。ぜひインタビューを読んで人柄に触れてみてください。

 

 

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ーー早速お聞きしてもよろしいでしょうか、今何故この時代に豆腐屋を始めようと思ったのかきっかけを教えてください。


元々は建築現場で現場監督をしていて、いわゆるサラリーマンしていました。その頃からどういう形になるかはわからないけど、自分で商売をしたかったんですよ。建設業で独立するかもしれないし、お店で商売するかもしれなかった。元々福井県出身なんですけど、せっかく京都にいるから京都らしいもので商売しようと考えた時に自分が好きなモノが豆腐だったので豆腐屋に。
 
 
ーーお豆腐好きが高じて豆腐屋になられたんですね。地元の福井で商売をされるという考えはなかったんでしょうか?

 

 
深くは考えてはいなかったですが、福井でするという考えはなかったですね (笑) 。今後将来福井に帰る可能性もあるかもしれませんが、兎に角京都でお客さんとコミュニケーションを取って商売をしたかったので。
 
 
ーー今希望通りに商売はできていますか?

 

 
そうですね。関西には少ないみたいなんですが、たまたま何かで移動販売を知って、今でも移動販売メインでコミュニケーションを取れるようにやっています。一週間に1回場所変えながら今でも毎日やっていますね。

 

 
ーー移動販売ですか、今なかなか見かけないですよね。

 

 
実はそっちがメインでやっていて、移動販売はこの辺の北区左京区を中心にやっていますね。軽トラックでラッパの音を鳴らして、ALWAYSの現代版みたいなイメージですね (笑)

 

 
ーー何故店舗を構えておられながら移動販売を続けているのでしょうか?

 

 
必要とされているところに行きたいんです。宣伝をして売るよりも必要とされているところで商売をしたいという気持ちがあって、当初から思い描いていた商売の形に合致していてやりがいがあります。

 

 
ーー店舗も対面での販売となっていますが、移動販売はまた少し違うということですか?

 

 
例えば移動販売をすることによって、うちに買いに来れないお客さんが一週間楽しみに待っていてくれるんですよね。通ると必ず出てきてくれるんです。それが嬉しいですね。

 

 
ーーそれは活力に繋がる言葉ですね。大部分のお豆腐屋は卸もされているかと思うのですが崎出屋さんはどうでしょうか。

 

 
基本的にはさっきの考え方、”直接お客さんに売りたい”、というものがあるので卸は一切断っています。すべてのお客さんと対面で売りたいですね。

 

 
ーー本当に徹底していらっしゃいますね。ちなみにこちらの店舗はどのように決められましたか?

 

 
一番は”豆腐屋をする=住む”となるので、まずは自分が住みやすい場所ですよね。家探しの感覚です。探しているうちにどんどんと北に来た感じです。静かで住みやすいので気に入っています。

 

 

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ーーありがとうございます。次に豆腐の魅力を教えていただきたいのですがお願いしてもよろしいでしょうか。

 

 
毎日作っていても理想の豆腐は中々作れない所ですね。今でも何週間に1回作れるかというくらいには難しいです。湿度、温度、水温、豆の状況、これだけでもだいぶ違います。新豆は糖分や脂質が多いんで、味だけなら新豆の方が美味しいんですが、豆腐ってタンパク質が固まったものなので、乾燥して糖分や脂質が抜けたタンパク質の多い古い豆の方が食感がいいんですよね。どこかでいいとこどりをしなきゃいけないんですが、豆の状態は変化し続けるのでとても難しいんです。そこにいかに寄せるかといった部分は面白いですね。

 

 
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季節限定メニューの看板。冬にももちろん季節限定メニューがあるので、ぜひお店を覗いてみて欲しい。

 

 
ーー豆は生き物なんですね。そんな崎出屋さんのおすすめの商品を教えて下さい。

 

 
豆腐はもちろんなんですが、ひろうす、いわゆる”ひろうす”なんか食べてみて欲しいですね。ゆり根だとか銀杏が入っていて、普通は炊き合わせて食べるひろうすが、単品でそれだけで食べられるようになっています。お出しでことこと煮込んで食べていただければ。実は冬限定の期間限定商品なんですけどね。

 

 
ーーこちらの商品ですね。しかし崎出屋さんの商品はどれも美味しそうなんですが、何より値段に驚かされます。どれもお手頃な値段ですよね。

 

 
これは一番のポリシーなんですが、お豆腐は特別な商品じゃなくて、普通の人が朝お味噌汁にいれるようなものなんですよ。それを高級品にしたくなかったっていうのがあります。だからスーパーの安売り品のような値段とまではいきませんが、できるだけ手を出しやすいようにしたいと思っています。その上で自分が作るものだから、ちょっとでも良いものをという思いもあって、コストの部分を手間暇かけて補っています。そうなると卸ではできないんですよね。

 

 
ーー正直お伺いするまで百貨店さんの豆腐の値段を想像していたので本当に驚きました。もうひとつお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?今崎出さんが気になっていることがありましたら教えてください。

 

 
嫁が妊娠しているのでこの半年くらいは赤ちゃんのことをずっと調べたりしていましたね。今考えているのはこればかりです。あとは家探したり、結局赤ちゃん絡みのことばかりですね (笑)

 

 
ーーおめでとうございます!最後にこれからの展望があればお聞かせいただけますか。

 

 
お店自身をあんまり大きくする気はないんですけど、お客さんと繋がっていたいので目の届く範囲では増やしたいですね。あと今移動販売している車を2台3台と増やしたいです。「うちにも来てください」とありがたい言葉をいただくこともあるんですが、まだまだ回りきれていないので。

 

 
ーー街で見かけられる日を楽しみにしています。ありがとうございました!

 

 

 

 

Profile

堤 大樹
堤 大樹編集長
何をやるにも言い出しっぺなので、大体最後は自分でやるはめになる。バイタリティのみで世の中を渡り切るべく奮闘中。「ロジカルってどこに落ちてるんですか?」Amia Calvaというバンドでも活動中。

バンド:http://amia-calva.com