京都パン処 かめや

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北区大宮通り御園橋通りから南へ数分。近所の方々、京産大生や佛大生に長い間愛され続けているパン屋さんがあります。今回ご紹介するのが、「京都パン処 かめや」です。

 

特性のあんこを使用したあんぱんは絶品。菓子パンがオススメという事ですが、全てのパンに個性があります。さらに、アルバイトの方が、かめやのパンの値段を覚えると他のお店に行って「パンって高いんですね!」という言葉が出るほど、お手頃の値段。この値段にも店長さんの強いこだわり、愛情が感じられます。本当に何度食べても飽きの来ないパンばかりで、ついつい通ってしまうパン屋さんです。

パン作りは自己表現という位、個性を大事にする店長さんですが、近所の方、子供たちのお話をする店長さんの笑顔からは、人に対する愛情がとても感じられました。一度食べれば、きっとその笑顔の秘密、通いたくなる秘密が分かっていただけると思います。あなたの行きつけのパン屋さんになる事、間違いなしです。

 

INFORMATION

【住所】〒603-8402 京都府京都市北区大宮南椿原町14

【定休日】木曜日

【営業時間】07:00~19:30

【電話番号】075-492-3639

 

かめやの店長である守屋さん(以下守屋)にどのような思いでお店をされているかお話を聞いてきました!

 

 


――まず初めにお店のコンセプト、特徴、売りを教えてください。

 

守屋:自分の子ども時代に感じていた『パン屋』のイメージそのままをやりたかったという所です。僕らの子ども時代にそれまで袋に入っていたパンを買っていたのが、焼き立てのモノが並べられて、自分でトングで取ってというものが出てきて、その衝撃がすごかったので。 

 

 

――そのころが始まりだったんですね。かめやさんのお客さんの特徴などはありますか? 

 

 

守屋:駅からも少し距離がありますので、近所の方がほとんどです。やっぱりお年寄りが多いのは地域の特性で、あとは若い奥さんとかが多いです。

 

 

――曜日ごとにも、結構メニューが違いますよね?そういった所は近所からすると、パン屋の魅力でもあります。店長さんの考える『パン屋』の魅力を教えてください。

 

守屋:何でもあるという所ですね。甘いモノもあれば辛いモノもあるし惣菜パンも。色んなものが小さいお店の中に詰まっている所だと思います。  

 

 

――お子さん向けにオリジナルパンを作られているかと思いますが、作られたきっかけを教えていただければと思います。 

 

 

守屋:ポイントカードを作る時にただグッズを渡したり、割引だけだと面白くない。それでパンで面白い事できないかなと思って。子連れのお客さんであったり、おばあちゃんが「孫が来るんだけど、アンパンマンのパンとかできない?」と聞かれて。そこから作り始めるようになりました。  

 

 

――お客さんからの意見で新しいパンができたりという事があるんですか?

 

 

守屋:最初は自分のこだわりがあるので、こういうパンで行こうっていうのはあるんですけど「こんなのないですか?」って聞かれたりするので。それだけでは地域のニーズと合わなかったりするので、大分変わってきたと思います。

 

 

――パンにも地域性が反映されているんですね。

 

 

守屋:かなりあると思います。地域密着型の場所だと、細かい所も含めてやっていかないと、支持はされていかないですね。

 

――地域のパン屋さんのいい所でもありますね。この場所を選ばれた理由を教えてください。

 

守屋:居抜きで入ったんです。前にもパン屋さんがあって、そのパン屋さんがまだ営業されている時に、直接オーナーさんと話しました。それで「機材をそのまま置いておいてもらえますか」と交渉して。タイミングもよくて、運には恵まれていたと思います。

 


kameya_7 店長の守屋さん

 

――ずっと京都にいらっしゃるという事でしたが、京都で好きな場所はありますか?

 

 

 

守屋:京都らしいところはどこでも好きです。特に町中のごちゃごちゃっとした長屋とかが好きです。お店にちょっと格子のイメージとかを作ってみたりしたのも、ああいうのが好きだからですね。

 

 

――そういう所が反映されていたんですね。ところで、木曜日が定休日のようですが、お休みの過ごし方についてお伺いしたいのですが。

 

 

守屋:体力を回復しないといけないので、休みの日は休むことに集中しています(笑)外に出ても、できるだけパン屋さんには行かないようにはしていますね。影響されたり、単純に真似してしまったりというのが怖いんです。行くのであれば、和菓子屋さんであったり、ケーキ屋さんにしています。美味しいと評判のお店にいって、パンに活かせないか考えています。

 

 

――パンとは違うところからのアプローチをされているのですね。

 

 

 

守屋:そうしないと、ひねりがなくなってしまうので。パン自体もそうですが、自分の店を出すという事は自己表現だと思っているので。”自分らしさ”というものがなくなってしまうと、自分でやっている意味がないと思っています。

 

 

――どこか他のパン屋さんとは違うというのが良く分かります。

 

 

 

守屋:やはりパンも商売も一番大事なのは自己表現であって、自分の”美味しい”を作っていくという事ですね。それを買いに来てくれたお客さんが認めてくれたら、また来てくれる。商売ありきでやっている所とはそういう考えが違うというのがあると思います。

 

 

――そういった所がお店の集客に繋がっていくんですね。

 

 

 

守屋:そうなればいいですね。最近は新しいお店も増えてきているし、コンビニもすごい勢いで増えている。以前まではパン屋だけでよかったのが、パン屋以外とも競合していかなきゃいけない。値段等どうにもならない事も多いし、神経も磨り減らせる。そうなると、ここにしかないものを作っていかないと、生き残っていくのは難しいと思います。

 

 

――今後の展望としては、どういった事をお考えですか?

 

 

 

守屋:体力的にこれ以上の事は難しいので、何とか現状維持をしながら続けていく事ですね。新しいモノはだんだん出にくくなってくるし、体力も落ちていくので。それを何とか止めながら、新しいモノに刺激を受けて表現していきたいと思っています。

 

 

――ちなみに、今気になっている事などはありますか?

 

 

 

守屋:TPP問題ですね。僕らの仕事は、原材料が海外からのものが多いので、直接影響するので。自分の意志とは関係のないところで、原材料が無くなってしまうと、商売が成り立たないですからね。なので、パン屋を辞めたら農業の方に行きたいと思っています(笑)

 

 

――根本の方に興味があるんですね。

 

 

守屋:どんなものでもそうですが、物事は何かしらの原材料や過程があって成り立っていますよね。その成り立ちや仕組みを考えて、自分自身がその結果である物事(今回であればパンの製造)に携わると、その原材料や過程の事を知りたくなってくる。やっていけばやっていくほど、根本的な所にたどり着くと思う。安全面とかも含めてもそうですし、できる限り自分で全部やりたいと思います。


kameya_8 サンライズは生地がさくさくで中はふわふわ

 

――お店を始めてから今までで一番嬉しかった事はどんな事ですか?

 

 

 

守屋:子供たちがお母さんに連れられて来てたのが、大きくなってもうちの店に来てくれるというのが嬉しいですね。あの子大きくなったなとかを見れるのが(笑)

 

 

――そういった部分は、地域のパン屋さんならではですね。

 

 

 

守屋:お母さん方からも、「かめやのパン食べて育った子が高校行ったよ」とか「大学行ったよ」というのを聞くのは嬉しいですね。子供たちの記憶の中に、ここのパン屋があったら嬉しいです。

 

 

――それは、ほっこりエピソードですね(笑)京都はとてもパン屋さんが多いですが、特徴はどんな所だと思いますか?

 

 

 

守屋:チェーン店ではなく、個人の店がすごく多いので、それぞれの個性が強い所が多いと思います。実際に個性が強い人も多かったですね。それに、パン屋が売れていた時代に、下働きでやってた人たちが、オーナーが儲かってるの見てたからですかね(笑)下働きだと、ある程度まで行くと、給料は上がらなくなります。そこまで行くと、まず続けるのか辞めるのかという選択肢になります。続ける人も、任されて店長するか、独立するかという所になっていくんですけど、周りはそこで頑張っている人が多かったです。

 

 

――そういう中で、独立を意識されたという事ですね。

 

 

 

守屋:ある時点を境にという事はないですが、現実の延長戦上にはありました。自分から新しいパンの提案をしても、「うちの店では出せない」と言われりしまして。そうするともっとこうしたいというのが出てきて、結果自分でお店をやる事に繋がった感じですね。

 

 

――お話しをお伺いしていると、エネルギーがとてもすごいなと思いますが、どういった所から湧いてくるんですか?

 

 

 

守屋:そこはマイナスの感情からですよ(笑)「なにくそ!」っていう所から全部生まれていると思ってます。今は46歳になったんですが、同年代にもまだ負けてられないって思います。下を見て安心するのではなく、頑張ってる人はたくさんいますし、もっと成功している人もいるので。「まだまだ行けるはず!」という所です。

でも、僕らはこの仕事がやりたいというエネルギーで頑張って来ましたが、今の若い子はまず条件等の相談を受けるので、180度違うのに驚きます。

 

 

――若い方からの相談を受けたりもするんですね。

 

 

 

守屋:専門学校で年に1,2回。昔一緒に修業してた人が講師をしていて、実際にお店をやっている人の話を聞くというのがあるので狭い世界なので、続けていると、そういう所で教えていた子たちに会ったりして「まだ頑張ってますよ」とかを聞くと嬉しくなりますね。あとはアルバイトの子とかが、就職してからも覚えてくれていて、買いに来てくれたりとかもとても嬉しいです。

 

 

――皆さんの記憶に残るパン屋さん、そこがずっと愛され続ける理由ですね。僕もこれからも通わせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

 

 

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