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俺の人生、三種の神器 -山田和季 ②自己が無になった話-

 

▼俺の人生、三種の神器とは?

 

人生の転換期には、必ず何かしらきっかけとなる「人・もの・こと」があるはずです。そのきっかけって、その当時は気づけないけれども、振り返ると「あれが転機だった!」といったことはありませんか?そんな人生の転機についてアンテナ編集部で考えてみることにしました。それがこの「俺の人生、三種の神器」。

 

折角なのでもっとアンテナ編集部員ひとりひとりのことを知ってもらいたい!そんな気持ちも込めたコラムです。これから編集部員が毎週月曜日に当番制でコラムを更新していきます。どうぞお楽しみに!

 

当番制コラムも2周目です。みんなのコラム欠かさず読んでいたんですけど、たったひとつだけ異議申し立てたい。え、みんな意識高いの?なんでそんな「プラスに変われた」ターニングポイントばっかなの?そんなやつばっかじゃないだろ、どうしたアンテナー!

 

 

私は中学生ぐらいまでは自己評価もそこそこ、聡明で比較的誰からも好かれるそつのない人間だと自負してきました。あの頃は朗らかだったし、さりげなく人前に出たがるタイプだった。ただ高校生活を起点として「自分のダメな人格」部分が確立されてしまいます。具体的には

 

・思うことは沢山あるのに、自分の意見は求められていないと思い込み言わない。

・「正解」もしくは「意味のあること」しか口にしてはいけないと強く思ってしまう。

→結果:他人の顔色に怯えまくって精神が死ぬ!誰とも中身のある話をしたくない!

 

 

未だに他人と目を見て話せないし、思ったことは12回ぐらい咀嚼してからでないと発言できないカスっぷり。そして大体自虐でお茶を濁す。そうなった原因は当時付き合うことになった男の子しか考えられないんですよね。ちなみにこの話、酒の席では鉄板ネタとして50回ぐらい話してるから聞いたことある人勘弁な。

 

 

 

DV被害女:「でも~、彼本気で謝っているから……許しちゃうんですよね」←これは嘘だ!

 

 

ワールドワイドウェブに個人の悪口をこうやって書くことにすら抵抗を抱かない程、彼(O君としましょう)には怨みしかない。O君との馴れ初めは全てすっとばして、彼にメンタルをKILLされた事案を松竹梅にレベル分けして整理してみましょう。

 

【梅】

■制服の上に着ているカーディガンの色がキモいと怒られる。

(紫を愛用していたのだが、恐らく白・ベージュ・黒等の清楚感あるものをご所望だったのでしょうね)

 

■付き合う前にART-SCHOOLのCDを貸したら「良かったよ」って言って返してくれたのに、付き合った瞬間「お前はこんなの聞いてるからそんな自己心酔型の人間なんだろ」と言われてただでさえ三白眼の黒目が点になる。

( 貸したのが”Flora”っていう駄盤だったからダメだったのかな?^^; )

 

■声がキモい・うるさいと在学中永久に罵られる。

( 実際キモいしうるさいんだけどな )

 

■卒業まで毎朝必ず一緒に登校・一緒に下校( 不可避 )。メンタルがKILLされ始める。

 

 

【竹】

■「みんなお前のこと変わってるって言ってるぞ」というソースが謎すぎる刷り込みを在学中永久に植え付けられる。( 実際言われてたとしたらまずてめぇのせいだからな…… )

 

■一番仲良かった女友達のことをO君が嫌いだったらしく、話しているところを目撃される度に体育館裏に呼び出しをくらう。( そして友達と疎遠になる )

 

 

【松】

■通ってた予備校を辞めさせられてO君と同じ所に通わされる。

( まじでおかんゴメン。今すぐ払うわ解約金 )

 

■文系なのに何故か数学ⅡBのクラスを受講するように鬼のように説教される。精神が疲弊した私は申し込んだフリをして、その授業がある間は近くの公園で途方に暮れて時間をつぶす。そして終了時刻が近付いてきたら、さも受講していたかのようにO君の前に姿を現すというリストラサラリーマンみたいなことをしていた。まじで勉強しろ。勉強させてくれ。頼むっっ!なっ?未来の私からのお願いだよ!

 

文化祭でO君にシバかれてるところを親に見られる。

 

 

そろそろ私もつらくなってきた。本当はあと10倍ぐらいエピソードがあるのですが、お察しの通り「なぜ別れない?」という点ですね。冷静に解説すると【梅】レベルにて完全なる監視体制を敷かれ、【竹】レベルで「お前に味方はいない」という刷り込みで外堀を埋められる訳ですね。ちなみに15回ぐらい別れ話はしています。いわゆるDV被害に遭っていたと思うのですが、よくDV男と付き合う女は「でも、暴力を振るった後優しいんです。だから許しちゃう。」的なことを言うイメージがありますが、そう言っていられるうちは大丈夫です。頑張ろう、今こそ立ち上がろう。いよいよメンタルがhave killed(完了)となった私は「暴力を振るった後は優しいんです。でも何言われたところで一切響かないですよね。無、無です。」というコメントしかありません。許すとか許さないじゃない。心頭を滅却すれば火もまた涼し。修行僧かよ。

 

 

 

修行僧、卒業を迎える。

 

 

ガンジーの更に上を行くであろう、「非暴力・完全服従」を全うし卒業シーズンを迎えた私。気になることはたったひとつ、お互い大学に無事行けるのか……?!ということ。

 

①同じ大学に進学。(地獄コンティニュー)

②O君だけがスベる。(彼がメンヘラ化して状況の悪化しか想像できない)

 

この2つだけはどうしても避けたいという気持ちしかなかった。ちなみに3つ目の可能性「私だけスベる」はO君とか関係なくシンプルに最悪です。結果、O君は日本有数の最上級学府へ進学するのですが、彼から合格の報告電話が来た時、私は堰を切ったように号泣しました。そう、解放・逃亡・フェードアウトへの栄光の架け橋が見えたからね!その様子を見たO君は「俺のためにそんなに泣いてくれるなんて……!」と一言。これを聞いた瞬間「くそウケるなこいつ」と思ったと同時に「……あ、私の人格崩壊しかけてるな」ってやっと自覚しましたね。苦行の先にあったものは「他人の顔色を伺うばかりに自分を殺すと性格がシンプルに歪む」という結論。自分の考えが正しいのか、間違っているのか。そりゃ正しいって信じたいけど、誰かとどこかで答え合わせをしないとねじれたまま肥大しちゃうんですよね。その肥大したものがもし「間違った」ものだったとしたら?私の場合はO君と答え合わせをできないのであれば、他の第三者に答え合わせをしてもらうべきだったんだなぁ。せめて「正しくもないけど間違ってもないよ」って誰かに言ってもらえていたら。

 

 

 

人前で自分の持っているものを披露するのが極端に怖くなった。

 

 

冒頭でも述べた通り、未だに私は他人の目を見て話すのが苦手だし、自分より「持っている」人に何かを求められるのが怖くてたまらないです。ずっとバンドも向いていないと思っていて、人前でギターを弾くのもはっきり言って苦手だし、ひどいときは作ったフレーズをスタジオで披露するのを苦痛に感じて消えたくなるときもあります。もはや、そういうもんだと思って自分の中では折り合いつけているけれど。残念ながら数年やってても治る気配がないので諦めています。ぷんすこ。でもがんばるから見捨てないで。

 

ちなみに大学卒業後、メンタルKILL型ブラック企業に勤めてしまい、またしても「無」モードに突入し絶えしのぐものの苦行中に父親が逝去、持ち前の性格の暗さをシャッチョーサンに「父親が死んだからって暗い顔するな!」と慶弔明け2日目で40分説教され殺意のあまり号泣する話もありますけど、こっちはまだ傷が癒えていないので3年後ぐらいに話しますね。

 

 

またモテないコラム書いてしまった。

 

 

▼他の人の転機

 

堤大樹

①初めてのひとり旅

http://kyoto-antenna.com/column/turning_point_tsutsumi_1/

②音楽

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山田和季

①シンパシー

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②自己が無になった話

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岡安いつ美

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②SXSW

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山田克基

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Dino

①Kさん

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高石瑞希

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齋藤紫乃

①ウォーターガールズ

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この記事を書いた人

山田 和季
山田 和季
チーフエディター。 (頭が悪いから) 歯に衣着せぬ物言いで、最近は「めたくそライター」の肩書もGETしました。ふざけただらしのない文章を好みます。母の鳴く家というバンドで紅一点ギターを弾いていますが、わりと常にエロいことを考えています。

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