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俺の人生、三種の神器 -稲本百合香 ①GARNET CROW編-

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▼俺の人生、三種の神器とは?

人生の転換期には、必ず何かしらきっかけとなる「人・もの・こと」があるはずです。そのきっかけって、その当時は気づけないけれども、振り返ると「あれが転機だった!」といったことはありませんか?そんな人生の転機についてアンテナ編集部で考えてみることにしました。それがこの「俺の人生、三種の神器」。

折角なのでもっとアンテナ編集部員ひとりひとりのことを知ってもらいたい!そんな気持ちも込めたコラムです。これから編集部員が毎週月曜日に当番制でコラムを更新していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

涙よりも一つ多く 笑えれば良い

 

「趣味はなに?」と人から聞かれれば何の迷いもなく「音楽を聴くこと、ライブに行くことと」と私はもう何年も前から答えています。思い返してみると、私の音楽好きが始まったことにも確かに大きなきっかけがありました。

 

 

父はバンドをやっていて、母は音楽教室の講師。私は根っからの音楽が好きの両親の元で26年間育ってきました。音楽が自然と身近にあった環境とはいえ、特別昔から音楽が好きだったとか好きなアーティストがいたとかではありませんでした。強いていうならば習い事のエレクトーンに行っていたくらい。でも気付いたときにはもう習っていたという環境なので特別練習熱心というわけでもありませんでした。(今思えばありがたい環境なのに……)

 

 

何気なく自分の傍にあった音楽がより大切な存在に変わったのは小学校6年生の時『GARNET CROW』のファンになったことが大きなきっかけでした。モーニング娘。などハロー!プロジェクトのブームが過ぎた頃、初めて好きになったアーティストが彼らだったのです。当時仲が良かったОさんの家に遊びに行ったとき“スパイラル”という楽曲を薦めてもらって聴いたのが最初のきっかけでした。名探偵コナンが好きだった私はテーマソングを担当していた彼らの曲を耳にすることはありましたが、じっくり楽曲を聞いてこんなにも胸に刺さったのは初めてでした。

 

 

「在るがままに受け止めればいい 涙よりも一つ多く 笑えればいい」

 

 

 

この歌詞が思春期特有の複雑な心情が入り交じる当時の私を支えてくれたからだと思います。この楽曲に心奪われたその後、私は親に頼んでライブDVDを買ってもらったことを今でも鮮明に覚えています。初めて手にした彼らの作品が数十曲も楽曲が収録されているライブDVDということもあり、嬉しくて堪らなくて何十回もその映像を見て曲を覚えました。買ってから随分年月が経った現在もこのDVDは見ているのでもうディスクの裏は傷だらけですが  (笑)。それでもこの1枚から私の約11年間のファン生活が始まったのです。

 

 

初めてのライブ

 

ライブDVDから彼らにのめり込んだということもありライブに行きたくなった私は中学1年生の冬、彼らのライブを初めて観に行きました。もちろんFCに入るお金もなかった私はチケット発売日当日、ぴあの窓口までお年玉を握りしめチケットを買いに行きました。(チケットをネットで買えるという知恵も当時の私にはなかったので) なんとかおさえられた席は大阪厚生年金会館の3階席。それでも生で彼らの楽曲を聴けることが楽しみで指折り数えてライブの日を待ちわびていました。

 

 

ライブ当日、授業を終え急いで家に帰り大阪まで向かいます。いざライブが始まって演奏された1曲目は私が初めて手にしたCD“泣けない夜も泣かない朝も”という楽曲でなんだかその選曲自体にも運命を感じて感動したのを覚えています。「ステージにいる彼らと本当に同じ時間を過ごしているんだ」と思うだけでライブ中何度も感動して涙が止まりませんでした。音楽を聴いて涙するという経験をしたのもこの日が初めてでした。ツアーグッズである大きいパンフレットを片手に抱えて会場を後にした私。この夢のような数時間から現実に引き戻されるのが寂しすぎて帰りの電車の中でもめそめそ泣いていました。さすがに恥ずかしいので泣き止みなさいと母親には怒られましたがこれも良い思い出なのかなと今では思っています (笑) 

 

 

AZUKI七という人

 

実は楽曲の全作詞を担当しているメンバーのAZUKI七さんは私が文章を書き始める最初のきっかけをくれた人でもあります。先程も特記した友人Oさんの家で聴いた楽曲“スパイラル”の歌詞に感銘を受けたことももちろんですが、彼女が書く歌詞は文学的であり、個性的。初めて歌詞カードをじっくり読んだのが小学校6年生だったということもあり独特な彼女の言葉遣い、言葉選び、当て字など全てが新鮮で。語彙力がまだまだ乏しかった私には一層輝いて見えました。

 

 

今でこそ私はこうしてライターとして文章を書いていますが、元々私は文章を書くのも本を読むのも苦手だったのです。ですが、この方が書く歌詞を知ってから言葉というもの自体に興味を持ち、文章に触れることが好きになったのです。当時彼女に少しでも近付きたかった私はよく詩をノートに書いてはネットに投稿をしていいました。AZUKIさんが憧れの存在になってから私はまず国語の授業を頑張るようになったのです。そうしたら作文も自然に書けるようになって、むしろ先生に褒められるようにまでなっていました。私の物書きとしての第一歩を、きっかけをくれたのは紛れもなくAZUKI七さんという作詞家のおかげです。中学生時代の私の夢はAZUKI七さんのような作詞家になること。今思うととてもおこがましいですが。GARNET CROWの歌詞カードは私の永遠の教科書と言っても過言ではありません。

 

 

わたしの原点

 

はじめて好きになったアーティスト。何十枚も買い集めたCD、DVD。はじめてのライブ。何度も足を運んだライブ。集めた雑誌の切り抜き。テレビ出演時の録画ビデオ。どれも彼らと共に過ごした数え切れない思い出が溢れています。楽曲を聴いて涙すること、CDの発売を心待ちにしたこと。ライブを楽しむということ。この文章を書いている今、当時の感情を思い出して感極まりそうです。彼らは約3年前『解散』という道を選び、13年間の活動に幕を閉じました。それでも彼らの残してくれた楽曲、私の11年間のファン生活の想い出はずっと今も私の中で生き続けています。音楽を大好きな私をつくり出してくれてありがとう。 GARNET CROW。私の原点はいつもここからです。

 

 

 

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この記事を書いた人

稲本 百合香
ライター。なぜか「ライブに行くのが意外!」と言われがちですが

休みの日はもっぱらライブで現実逃避!

「メジャーインディーズ問わず良いものは良い!」

という想いを抱きながら日々、素敵なもの(音楽・アーティスト)を

探し求めて、アンテナにて奮闘中。

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