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俺の人生、三種の神器 -キャシー ②Final Fantasy 8-

 

▼俺の人生、三種の神器とは?

 

人生の転換期には、必ず何かしらきっかけとなる「人・もの・こと」があるはずです。そのきっかけって、その当時は気づけないけれども、振り返ると「あれが転機だった!」といったことはありませんか?そんな人生の転機についてアンテナ編集部で考えてみることにしました。それがこの「俺の人生、三種の神器」。

 

折角なのでもっとアンテナ編集部員ひとりひとりのことを知ってもらいたい!そんな気持ちも込めたコラムです。これから編集部員が毎週月曜日に当番制でコラムを更新していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

 

突然ですが、このサイトの一番上を見てみましょう。そこにはこう書いてあります。

 

 

「京都のカルチャーを発信するウェブマガジン アンテナ」

 

 

そう、我々は、どうやらカルチャーを発信しているらしいのです。皆さんは「カルチャー」と聞いて何を連想するでしょうか。音楽、映画、小説、アート、演劇、アニメ、漫画……。

 

 

ここで私は異議を申し立てたい。

 

 

 

なぜ、そこに「ゲーム」が含まれていないのかを!

 

 

 

私の感受性はゲームによって育まれた

 

 

我が家は5人家族で、両親と弟が2人います。男兄弟ばかりなので、物心ついた頃から家にはゲーム機があって、父も弟たちもテレビゲームに夢中でした。家族そろって夕飯を食べた後、父はさっそくリビングのテレビのチャンネル権を奪取してゲームを始めます。子供たちはその隣に仲良くちょこんと座って、父のプレイする画面を眺めているのです。(その間、母はやや不満げに別の部屋へ移り、ヘッドホンをして一人テレビを観ている)

 

そんなふうに、我が家はゲームによって(?)一家団欒が支えられていました。

 

 

ただ、私は自分でRPGをプレイすることはほとんどありませんでした。私は自分でゲームをクリアしたいのではなく、ただゲームのストーリーを追いたかっただけなのです。

 

私にとってゲームは、壮大な映画のようなものでした。

 

 

幼いころからゲームを見て育った私は、ゲームの中から沢山のことを学びました。そしてその中でも特に印象に残っているのが、私が小学校高学年の頃に発売された「Final Fantasy 8」です。

 

「Final Fantasy」シリーズは、言わずと知れた国民的ヒット作ですね。「最後の物語」と言う意味のタイトルのくせにもう15作も続いていて、存在自体が大いに矛盾しています。何回最後やんねん、っていう。それはともかく、今回取り上げる「8」は魔女と戦うお話です。主人公スコールとヒロインのリノアがイチャイチャする話でもあります。細かいストーリーを説明し出すと長くなり過ぎるので省略しますが、その話の中でも私にとって大きな影響を与えたエピソードを2つ紹介します。

 

 

 

エピソード其の壱 ~アーヴァイン・キニアス~

 

 

アーヴァイン・キニアスは狙撃手です。キザな優男を気取っているくせに、ヘタレで頼りない残念なヤツ。銃撃戦で魔女を撃ち抜こうという時にも、怖気づいて結局失敗してしまいます。(まぁそこにも色々事情があるのですが。)

 

そんな彼ですが、実は誰よりも現実と向き合い受け止めていて、厳しい現実と戦おうとしているのです。ホントは一番男前。彼は仲間たちに向けて、こんなことを言います。

 

 

ほら、よく言うだろ~? 人生には無限の可能性があるってさ~。
僕はそんなの信じてないんだ。
いつだって選べる道は少なかった。時には道は1本しかなかった。 その、少なかった可能性の中から自分で選んだ結果が僕をここまで連れてきた。
だからこそ僕はその選んだ道を……選ばなくちゃならなかった道を大切にしたい。 

 

 

衝撃的でしたね。小学校ではこんな現実は教えてくれません。何なら学校では「一生懸命頑張ったら何でも出来るんだよ」と教わることでしょう。でも、大人になった今、一体どちらが正しいと思えるでしょうか。この厳しいけれど前を向いている言葉が私は今でも大好きです。

 

 

 

エピソード其の弐 ~ウォード・ザバック~

 

 

当時はインターネットが普及していなかったので、当然「攻略サイト」という文化もありません。ゲームプレイヤーたちの情報源となっていたのは「攻略本」です。

その攻略本の中でも不動の地位を築いていたのが「アルティマニア」という冊子で、辞書ほどの厚みの本の中には、ありとあらゆる攻略データに加え、制作者のインタビューや制作秘話なども収録されていました。

 

 

さて、ウォード・ザバックは戦闘の後遺症で口がきけなくなってしまった大男です。ラグナ、キロスというキャラと一緒に3人組で行動しています。そのFF8アルティマニアの本の中で、ウォードのキャラクター紹介のページに書かれていた制作者のコメントが、とても印象的だったのです。

 

 

ウォードって、途中で口がきけなくなりますけど、きけなくなってからもラグナたちに話は通じてるじゃないですか。じつは、あれには意図があるんです。リノアがスコールに「声に出してくれないとわからないよ」ってよく言うじゃないですか。それとは対照的に、とくに言わなくても思いが伝わる関係もあるっていうのがやりたかったんですよ。

 

 

これ。これです。小学生の私はこの文章を読んで、「考え方の正解はひとつじゃないんだ」ということを知ったのです。ちなみに、印象には残っていたものの、文章のディテールまでは覚えていなかったので、今回のこのコラムの為にアルティマニアもっかい買いましたからね中古で。読みたい人いたら貸すよ?

 

これがアルティマニアだ!(撮影場所:キャシー宅)

 

 

 

人生はロールプレイングゲームだ

 

 

バンドでも仕事でも何でもそうですが、チームで行動する時には色々なタイプの人間が集まります。時には自分と考え方が違うメンバーに対して「何でこんなことも出来ないんだ」「そんなこと言われたってわからないよ」と苛立ってしまうこともあるでしょう。

 

 

そんな時、私はロールプレイングゲームの戦闘パーティーのことを考えます。

 

 

戦闘パーティーを組む時は必ず、色々な能力を持つキャラクターをバランスよく揃えます。物理攻撃の強い戦士、素早さの高いシーフ、魔法攻撃の得意な黒魔道士、回復や補助魔法が使える白魔道士…..といった具合です。

 

現実の世界も、それと同じではないでしょうか。それぞれ違うキャラクターの人間だからこそ、集まって、得意な能力を活かし、苦手な部分は補ってもらう。そうやってみんなでレベルアップして、強い敵を倒して先へと進んでいくのです。だから誰かを非難する前に、その人がどんなキャラクターなのか、自分はどんなキャラクターなのかを考えてみる。そうすればきっと相手を尊重できるし、より良いチームになるのではないでしょうか。

 

 

完璧なキャラクターなんていないんです。ゲームの中にも、現実世界にもね。

 

 

 

▼他の人の転機

 

堤大樹

①初めてのひとり旅

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②音楽

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山田和季

①シンパシー

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②自己が無になった話

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岡安いつ美

①Peelander yellow

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②SXSW

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髙橋知里

①私だけのギターヒーロー

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②Final Fantasy 8

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小倉陽子

①家ガール

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川端安里人

①映画との出会い

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則松弘二

①H君

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山田克基

①池谷先生

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稲本百合香

①GARNET CROW

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Dino

①Kさん

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森下優月

①活字

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高石瑞希

①ノート

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齋藤紫乃

①ウォーターガールズ

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この記事を書いた人

キャシー
キャシー
Twitter:@cathyletter
京都発アートパンクバンド、my letterの元ドラマー。
現在名古屋在住のアンテナ遠距離組。最近のマイブームはカセットテープのジャケ買いと、グランパスくん。

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