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【ナノボロフェスタ2015 / DAY1】渚のベートーベンズ / ナードマグネット / Seuss / ゆーきゃん

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渚のベートーベンズ

 

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2015年5月に1st Album『フルーツパーラーミュージック』を全国リリースした京都発 ファンタジスタ五人組、渚のベートーベンズのアクトは”ニューモーニン!グッドモーニン!”から始まった。インディー感のあるポップミュージックだが、今流行っているようなものとはまた一線を画している。全員が作詞作曲を手がけているということで異なった曲調、似た曲が一切ないオリジナリティにも関わらず一貫性はしっかりある。パワフルで楽しげな演奏はもちろんのこと、MCでは仲の良さも伺えるメンバー同士の掛け合いも彼らのライブの魅力の一つではないのだろうか。 彼らの曲はポップスだけに留まらず、しっとりとした大人らしい曲 (”雨はひとひら””こどもの国”) を続けて演奏し、力強く元気ハツラツとしていた空間は、穏やかでどことなく切なげな夕方の午後へと戻っていく。しかしそんな時間もつかの間、パーティにふさわしいような音楽で終わりかけていた夏に息を吹き返させ、ついはしゃいでしまうような演奏でフロアを沸かせていた。

 

 

 

ナードマグネット

 

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やってきましたパワーポップ大阪代表!この場の空気は完全にいただいたとばかりに一曲目の”ばくだんベビー”からギュウギュウのフロアを気持ち良く揺らすのはナードマグネット。今年12月に天王寺Fireloopでのワンマンライブを予定している彼ら、明るくどこか切ない粒ぞろいの3rdミニアルバム『この恋は呪い』から、”プロムクイーン”に”恋は呪い”とキラーチューンを惜しみなく連発。Gt.Vo.の須田亮太の青く切ないハイトーンボイスに乗った”pluto”でのコールアンドレスポンスもバッチリ。ナノボロフェスタ初出演の喜びと京都のライブハウスへの愛を語った須田のMCに後押しされ、”Mixtape”の’We are Infinite’をシンガロングするひとりひとりが前へ前へと気持ちを向けている。ここにしかない一瞬。そして”ウエンズデイ”の流れでフロアの熱は最高潮。愛と熱気に溢れたパワーポップの一体感をまざまざと見せつけられた。

 

 

 

Seuss

 

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けだるげにゆったりと、挨拶代わりのショートチューンを奏でるのはSeuss。60年代を思わせるUKサウンドに、やかましくも浮遊感のあるギターサウンドが脳味噌に響く。顔が見えないほどに前傾姿勢で歌うGt.Vo.yumaが時折、がなり気味に力んで歌う瞬間には目を見張った。終始クールにダルなたたずまいで演奏していた彼が、ぐちゃっと潰れる姿にくらくらする。「今日は踊って帰ってよ」とのyumaのひとことに、ミラーボールは回り、フロアはゆらゆらと波を打ち始める。なんともロマンティックなのだ。

 

 

 

4曲目のメロウなギターが鳴り始めると、その雰囲気は一層濃くなる。甘いスロウナンバーはまるで70-80年代の洋画のロマンティックなシーンに流れるBGMのようで、なんとも気分はぼぅっとしてしまう。うって変わって終盤では力強いビートのナンバーが鳴らされる。フィードバックが空間を埋め尽くすとフロアからは歓声があがる。彼らは淡々としているが、その理屈じゃないセンスにどうしようもなくこちらの体はノってしまうのだ。よく「洋楽的エッセンスが~」とか言うけど、それって何やねんと思っていたのだが、どんなテンポ、どんなリズム、どんなフレーズ、なんだったらその一音だけでもノれるっていうのが俗に言う「洋楽的エッセンス」のひとつなのかと、回答を与えられた気がしてゾクっとした。

 

 

 

ゆーきゃん <夜の部>

 

 

誰が言ったか知らないが、間違いなく「ゆーきゃんの歌は京都人の生活音」である。KBSホールの大きな空間でも、隠れ家のようなマドラグの部屋でも、同じように柔らかく響いて聴き手を温かく迎え入れてくれる。ロングセットで行われたライブでは、ナノボロフェスタのどの場面よりもゆったりとした時間が流れていた。クーラーが切られしんとした空間で、私たちは歌に耳を傾けていたつもりが、身の周りのさまざまな音に気付かされる。雨粒が窓を打つ音、誰かが足を組み替える音、コーヒーが注がれる音までが、ゆーきゃんの歌にほどなく溶け込んで自分のもとに生活音として入ってくるのだ。

 

 

 

ステージでは自身の楽曲のほか、ねじ梅タッシと思い出ナンセンスの”君に幸あれ”のカバーを、標準語に歌い替えたゆーきゃんバージョンで披露。続く”エンディングテーマ”の切々としたギターの音色に、それまでとは違う表情を見たようでハッとする瞬間もあった。「大きなもの、わかり易いものだけが正しいんじゃない」と、日々取りこぼしてしまう物事を丁寧に拾い上げようとするゆーきゃんの姿勢が肌で、心で感じられる演奏だった。

 

 

 

 

ナノボロフェスタ2015特集

 

 

■ナノボロフェスタ2015 DAY.1 カトキット / Spacetime And Streams / ゆーきゃん

http://kyoto-antenna.com/column/nanoboro2015_day1-1/

 

■ナノボロフェスタ2015 DAY.1 Baa Baa Blacksheeps / ONIGAWARA / 岡崎体育

http://kyoto-antenna.com/column/nanoboro2015_day1-2/

 

■ナノボロフェスタ2015 DAY.1 渚のベートーベンズ / ナードマグネット / Seuss / ゆーきゃん

http://kyoto-antenna.com/column/nanoboro2015_day1-3/

 

■ナノボロフェスタ2015 DAY.1 花泥棒 / my letter / never young beach

http://kyoto-antenna.com/column/nanoboro2015_day1-4/

 

■ナノボロフェスタ2015 DAY.2 前編 THEロック大臣ズ / 私の思い出 / 山本隆弘(KBSホール) / she said / T.V.not January / 中村佳穂 / THE FULL TEENZ / おとぼけビ〜バ〜

http://kyoto-antenna.com/column/nanoboro2015_day2-1/

 

■ナノボロフェスタ2015 DAY.後編 せのしすたぁ / ムーズムズ / メシアと人人 / 長谷川健一 / Have a Nice Day! / Homecomings

http://kyoto-antenna.com/column/nanoboro2015_day2-2/

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