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【稲本百合香の見たボロフェスタ2016 / Day2】生ハムと焼うどん / 愛はズボーン / manchester school≡ / yonige

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アンテナでは今年のボロフェスタのレポートを、ステージごとにアップするのではなくライブを見たライター別にアーティストをまとめています。少々探しにくいかもしれませんが、これはボロフェスタの掲げる”あなたの好きな音楽”と”私の好きな音楽”を繋げるというテーマを、ライブレポートでもなんとか再現したいと思ったからです。

各ライターのシフトは本人たちに決めてもらっていて、個人の趣味や趣向を反映させました。この記事を見る人が「このライターの趣味は自分に似ているから、レポートに載っている見れなかったバンドをチェックしてみよう」と、ライターというフィルターを通して新しい音楽との出会いの場所にしていただけたら幸いです。

 

 

 

稲本 百合香のボロフェスタ二日目

生ハムと焼うどん⇒愛はズボーン⇒ manchester school≡⇒yonige

 

 

午前11時55分。再びボロフェスタとゴジラの戦いが幕を開けた。

 

「昨日のオープニングでも似た光景を観たような……」それでも、沢山のオーディエンスが「笑って」この瞬間に立ち会っている。これから過ごす数時間に対する期待や、新たな出逢いがあることを予感しているからだろうか。今日もオープニング演出からボロフェスタを愛し、待ちわびたライブキッズで溢れていた。

 

 

 

■生ハムと焼うどん

 

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天才バンドの演奏が終わり、左側の2nd Stageに目をやると生ハムと焼きうどんがなにかを始めたところだった。最近メディアを賑わせ、破竹の勢いで怖いもの知らずの彼女たちは、激しいバンドサウンドでもなく、心地良い歌声でもない、寸劇で観客の心を鷲掴みにしている。

 

 

高々とツインテールを結った美少女アイドル二人組、かと思いきや、変顔、下ネタと過激なネタが次々飛び出してくる。とにかく振りきっているのがすごい!ステージ用の顔というわけでもなく、非常にナチュラルに見えるのは若さゆえだろうか。

 

 

いきなり約10分もの寸劇を行い、ようやく一曲目の“ツインテール”を披露。寸劇に見とれていた食いしん坊 (ファンの総称) も戦闘モードに早変わりし、バッチリ振りを決めていく。演奏が終了したかと思えば、またすぐに今度は京都を題材にした寸劇を挟んでくる。

 

 

30分の枠にも関わらず、演奏された楽曲はなんと4曲。楽曲より寸劇の方が圧倒的に長い。でもこの方法で彼女たちはファンの心を掴んできたのだと思うと、なかなか侮れないものである。伊達に3,000人動員のワンマンライブを成功させてはいない。

 

 

私はライブが進んでいくにつれては気付いた。「良くできました!」と曲中に幾度と出てくるこの言葉がきっと食いしん坊たちの糧なのだろう。事実これだけライブ中に直にコミュニケーションをとれるアイドルはいない。昼イチから強烈なインパクトとユーモアで既にお腹はいっぱいになった。

 

 

 

■愛はズボーン

 

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続いて、Undergroud Stageへと移動するととにかく熱気がすごい。アメ村発、愛はズボーンがその熱気の中心でサウンドをかき鳴らしていた。

 

 

「夜中のテンションでいてくれたら!そうガキ使見ているくらいのテンションで」と言い放ち、非常にハイテンションで暴れ回っていた。こうして次々とオーディエンスを煽って“アメコンダ”“ひっぱられる”を披露。さらに照明を足元のみに変更するという突飛な行動を行って、カラフルな照明クルクル回り、クラブのような雰囲気は醸成されていく。

 

 

ラストにはこれを聴かずに終われない、鉄板のアンセム“愛はズボーン”を演奏した。「ボンボンズボボン、愛はズボーン!」と一度聴いたら忘れられない、妙にキャッチーなこのフレーズをみんなきっと聴きたかったはず。私も思わず帰り道に口ずさんでしまいそうだ。こうして彼らの音楽がMAJIME症候群 (※彼らがつくりだした音感染患者が発病する病名) 患者をどんどん拡大していくのだろうと体感させられた。

 

 

 

■manchester school≡

 

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サウンドチェックの段階から「いこーぜいこーぜ」と客を煽り、この日のステージへの気合いが覗えた。ライブがいざ始まると、お客さんの一瞬の隙も逃さないかのように矢継ぎ早に短い曲を続けていく。モッシュピットのオーディエンスたちもその展開に、必死に応えていくのが非常に印象的だった。あの音の渦に入り込めた時はどのように感じられるんだろうか。

 

 

ライブ終盤イギリスのロックバンドThe Jamの楽曲、In the Cityのアンサーソングとして作ったという“In The Room”を披露した。アーティスト自身の音楽のルーツをライブという対面の空間で知ることが出来るのは、ファンにとって嬉しい瞬間だ。“ダイヤグラム”という爽快感溢れる新曲を含めて、30分の間に全10曲もの演奏を楽しませてくれた。彼らの楽曲は非常に短い曲の連続だが、余韻が心地良いは何故だろう。終始私をグイグイとリードしてくれた彼らのテクニカルサウンドが、まだ耳にフワリと残っている。

 

 

 

■yonige

 

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着飾るわけでもなくラフな癖に、しかしどこか凜とした佇まいが印象的な女の子だった。その名も寝屋川発のガールズユニットyonigeが登場。Vo.牛丸ありさの訴えるような叫び声を、アッパーなサウンドでBa.ごっきんが支えていく。女の子同士の関わり合いは一般的に言っても複雑だと言われている。だがお互いを背中越しに演奏する場面を目撃した時、そんじょそこらの仲良しこよしの女の子たちにはけして出すことができない、強い信頼関係が覗えた。

 

 

私が一番引き込まれた瞬間は「この世で一番大嫌いな女に書いた曲です」と強烈な曲紹介が行われた“あのこのゆくえ”だ。嫌いと言う言葉の毒々しさとは裏腹に、その曲は妙に清かった。その後ラストに代表曲でもある“さよならアイデンティティー”をどこか切なげに披露した。

 

 

誰しも抱えたことがある葛藤。どうにかしたくてもできないやるせなさ。わかりやすい解決の形がないものが私たちの日常には多すぎる。だけどそんな感情をyonigeが代弁してくれた。この日、ボロフェスタに居合わせた何人もの目撃者が救われていたのだと思う。

 

 

 

2日間全8組のアーティストを体感したボロフェスタ2016。

フェスといえば1日に何組も、何時間も音楽にアートに文化に触れられる絶好の機会。何時間も同じ場所に時間とお金を費やして過ごすのはやはり根底に「好き」がないと始まらない。

「こんな音楽に出逢えて良かった」「こんな日があって良かった」

「こんな瞬間があること」を知っている私たちはこの場所にまた足を運ぶ。

そうした積み重ねがこのボロフェスタという15年の基盤となっているはずだ。

また来年、その約束があるだけで私たちはここから頑張れる。

 

 

【Day1】

▼山田和季:渡辺シュンスケ / jizue / ゆーきゃん 明るい部屋バンド / Gateballers / DENIMS

▼小倉陽子:台風クラブ / あっこゴリラ / CHAI / 夜の本気ダンス / クラムボン

▼山田克基:BiS / 立川吉笑 / ときめき☆ジャンボジャンボ / 井出ちよの (3776) / 花泥棒

▼稲本百合香:never young beach / 空きっ腹に酒 / 中村佳穗 / 3776

▼則松弘二: And summer club / 岡崎体育  / クリトリック・リス / tofubeats

▼森下優月:TheSpringSummer / bed / サニーデイ・サービス / スカート

 

 

【夜露死苦】

山田克基:mogran’BAR / YeYe / ナカシマセイジ (Alffo Records)  / Seuss / PARKGOLF / 踊ってばかりの国 / HALFBY / どついたるねん / DJ言うこと聞くよな奴らじゃないぞズ / メシアと人人

 

 

【Day2】

▼山田和季:渡辺シュンスケ / jizue / ゆーきゃん 明るい部屋バンド / Gateballers / DENIMS

▼小倉陽子:Limited Express (has gone?) / 女王蜂 / グッドモーニングアメリカ / ナードマグネット / ワンダフルボーイズ

▼山田克基:BiSH / チプルソ / 加藤隆生 (ロボピッチャー) / 渡辺シュンスケ (Shroeder-Headz、cafelon)

▼稲本百合香:生ハムと焼うどん / 愛はズボーン / manchester school≡ / yonige

▼則松弘二: ミノウラヒロキマジックショー / POLYSICS / MOROHA / eastern youth / THE FULLTEENZ

▼森下優月:天才バンド / 忘れらんねえよ / Have a nice day! / nim / 銀杏BOYZ (弾き語り)

Profile

稲本 百合香
ライター。なぜか「ライブに行くのが意外!」と言われがちですが

休みの日はもっぱらライブで現実逃避!

「メジャーインディーズ問わず良いものは良い!」

という想いを抱きながら日々、素敵なもの(音楽・アーティスト)を

探し求めて、アンテナ奮闘中。

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