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【稲本百合香の見たボロフェスタ2016 / Day1】never young beach / 空きっ腹に酒 / 中村佳穗 / 3776

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アンテナでは今年のボロフェスタのレポートを、ステージごとにアップするのではなくライブを見たライター別にアーティストをまとめています。少々探しにくいかもしれませんが、これはボロフェスタの掲げる”あなたの好きな音楽”と”私の好きな音楽”を繋げるというテーマを、ライブレポートでもなんとか再現したいと思ったからです。

各ライターのシフトは本人たちに決めてもらっていて、個人の趣味や趣向を反映させました。この記事を見る人が「このライターの趣味は自分に似ているから、レポートに載っている見れなかったバンドをチェックしてみよう」と、ライターというフィルターを通して新しい音楽との出会いの場所にしていただけたら幸いです。

 

 

 

稲本 百合香のボロフェスタ一日目

 

never young beach ⇒ 空きっ腹に酒 ⇒ 中村佳穂 ⇒ 3776

 

 

 

15周年。この歴史の裏にどんなドラマがあったのか。どれ程の人の努力・繋がり・出会いがあったのかだろうか。そして、今年はどんな未来が・景色が生まれるのであろう。まだ見ぬ期待と興奮を抱き、OPENINGから足を運んだボロフェスタ1日目。ライブイベントが始まる時の高揚感と終わりが近付く切なさがやっぱりたまらない。それが止められなくて、多くの人々が今年もKBSホールに、ボロフェスタにやってきた。もちろん私もそのひとり。

 

 

 

■never young beach

 

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テーマはゴジラというパンチの効いたOPENING後に、モスラに扮したMC土龍はこう語る。「観るたび観るたびかっこよくなっていく。コイツらのことがボロフェスタは大好きです」このラブコールに応えるべく登場したのは never young beach。哀愁漂う歌声とどこか懐かしいフォークサウンドに私たちは聴けば聴くほど惹き込まれていく。“自転車に乗って”でつくりだされた緩やかなサウンドは今日みたいな秋晴れの気候にぴったりだった。

 

 

こうして穏やかな瞬間を楽しんでいると油断は禁物。「もっと元気よく!ぴょんぴょんできるやつ!」と“あまり行かない喫茶店で”でVo.松島がさらに会場を温める。「明るい未来の話 寒い夜でも君とふたりで ふざけたダンスを踊ろう いつまでも側にいてくれよ」と “明るい未来”の優しいフレーズが追い打ちをかけるように心に沁みる。そしてラスト“お別れの歌”を聞き終えた私は確信した。

 

 

自然と笑顔が綻んでいる。こんなライブでフェスのスタートを切ることもまた素晴らしいのだと。こうして、トップバッターはただの盛り上げ役ではないことを彼らが教えてくれたように思う。

 

 

 

■空きっ腹に酒

 

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間髪入れずに2nd STAGEに登場したのは、初登場である空きっ腹に酒。つい数日前、自身のツアーファイナルを迎えたばかりということもあり、キレッキレのステージングが初っ端から光る。一曲目“音楽と才能”ではいきなり煽り立てるようなコール&レスポンス。こうしてステージとフロアの真っ向勝負がスタートした。「楽しみ方は自由だ」とオーディエンスを誘う一面もたまらなくアガるではないか。“Pa”ではもうお客さんはお祭り騒ぎだった。

 

 

……といった様子でライブが展開されてきたのだが、「この日のハイライトはラストの“夜のベイビー”に尽きるのだ」ときっと私と同じ気持ちの方も多いのではないだろうか。ワンダフルボーイズのカヴァー曲であるがもうそんなことは忘れてしまう、それくらい彼らの色に染まりきっていた。「今日はご存じボロフェスタ。身も心もボロボロでした。だけど受け止めてくれた京都に感謝」とVo.田中によって紡がれたこの日限りの歌詞が愛に溢れ、突き刺さった。

 

 

ロックで感極まるのは初めてだった。まるで壮大なバラードを聴き終えたような感覚が不思議と走っていた。こんな感覚もこれまでにない。ラストには「京都また来るのでよろしくお願いします」と語ってくれた彼らに「この場所でまた会いたい」と心の中で大きく呟いた。

 

 

 

■中村佳穂

 

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瞬間的な気持ちをありのままに歌う。それが中村佳穂にとっての自己紹介。念願であり、待望の1stSTAGEの大舞台で観客の心をグッと引き寄せる。

 

 

「やって参りましたボロフェスタ!大人の文化祭。やっぱり大きなところは楽しいですね」と気合いも充分の中、“POiNT”“夜のダンス”と立て続けに代表曲を披露。これまでに幾度とステージを共にしてきた自慢のバンドメンバーとともに独自のグルーヴで圧倒していく。

 

 

そしてこの日、ハプニングをチャンスに変えるこんな出来事も。ラストの曲と惜しみつつ、“口うつしロマンス”が始まったかと思いきや、出演時間オーバーが発覚。“72億人分のあの人”に急遽曲目を変更した。それでも何もなかったかのように奏でるのが彼女の底力。自由であることは難しいけれど、自由であるからこそ素晴らしい。そう、ライブに定型なんて最初から存在しないのだ。

 

 

昨年のBeelow stageで一耳惚れした彼女の歌。そのときから「大きなステージもきっと似合う」と感じていた。だからこそ私は「こんな景色を見れるとは思っていませんでした」と語る彼女に「1年後こんな景色が観れて良かった」と盛大な拍手を送った。

 

 

 

■3776

 

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土俵が配置されているどすこいSTAGEに突如アイドルが登場した。静岡県富士宮市のご当地アイドルその名も3776 (みななろ) だ。一曲目“登らない理由があるとすれば”が始まると堂々としたステージングに圧倒された。その反面「緊張してるんです」とMCで明かすあどけなさも。そうか。このギャップがきっとファンの心をくすぐっているに違いない。

 

 

“生徒の本業”ではまるで各分野の授業をレクチャーするような場面も。「ひぃ・ふぅ・みぃ……今日もみんなで数えることができます」とまるで授業参観いや、公開授業のようだ。テンポ良い展開がきっと魅力なのであろう。約20分間のステージがあっという間に感じた。「もっと彼女のその先を知りたい」この余韻がその後出逢う井出ちよの (3776) というステージに繋がっていることもまた憎めない。「ライブで京都に来るのが初めて」と話す彼女だったが、確実に足跡をボロフェスタに刻んでいた。現在はソロ活動中とのことだが新メンバー加入予定の今後も楽しみだ。

 

 

 

全4組ではあるがとても見応えがあったDay1。バンド、弾き語り、アイドルとジャンルが違うからこそ面白みと新鮮さを増す。何があるか分からないからこそ探究心はまだまだ続く。Day2でもボロフェスタならではの発見と出逢いに大いに期待したい。

 

 

 

【Day1】

▼山田和季:渡辺シュンスケ / jizue / ゆーきゃん 明るい部屋バンド / Gateballers / DENIMS

▼小倉陽子:台風クラブ / あっこゴリラ / CHAI / 夜の本気ダンス / クラムボン

▼山田克基:BiS / 立川吉笑 / ときめき☆ジャンボジャンボ / 井出ちよの (3776) / 花泥棒

▼稲本百合香:never young beach / 空きっ腹に酒 / 中村佳穗 / 3776

▼則松弘二: And summer club / 岡崎体育  / クリトリック・リス / tofubeats

▼森下優月:TheSpringSummer / bed / サニーデイ・サービス / スカート

 

 

【夜露死苦】

山田克基:mogran’BAR / YeYe / ナカシマセイジ (Alffo Records)  / Seuss / PARKGOLF / 踊ってばかりの国 / HALFBY / どついたるねん / DJ言うこと聞くよな奴らじゃないぞズ / メシアと人人

 

 

【Day2】

▼山田和季:渡辺シュンスケ / jizue / ゆーきゃん 明るい部屋バンド / Gateballers / DENIMS

▼小倉陽子:Limited Express (has gone?) / 女王蜂 / グッドモーニングアメリカ / ナードマグネット / ワンダフルボーイズ

▼山田克基:BiSH / チプルソ / 加藤隆生 (ロボピッチャー) / 渡辺シュンスケ (Shroeder-Headz、cafelon)

▼稲本百合香:生ハムと焼うどん / 愛はズボーン / manchester school≡ / yonige

▼則松弘二: ミノウラヒロキマジックショー / POLYSICS / MOROHA / eastern youth / THE FULLTEENZ

▼森下優月:天才バンド / 忘れらんねえよ / Have a nice day! / nim / 銀杏BOYZ (弾き語り)

Profile

稲本 百合香
ライター。なぜか「ライブに行くのが意外!」と言われがちですが

休みの日はもっぱらライブで現実逃避!

「メジャーインディーズ問わず良いものは良い!」

という想いを抱きながら日々、素敵なもの(音楽・アーティスト)を

探し求めて、アンテナ奮闘中。

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