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三つ巴!天下一ホニャララ会 – 最低邦題決定戦2017 –


 

アンテナ編集部が3チームに分かれて、それぞれ内容の異なった連載を週替わり掲載することになりました!今週はめたくそライターのかずー・シネマジプシーの安里人・おいしいもの好き東京ライターの優月の3名からなるチームです。生活する土地やリズムも異なる3人だから、好き嫌いは否めない……ってなことで毎回異なるテーマに沿った「自分の中のベスト1」を持ち寄って、どれが一番ふさわしいのかバトルしようじゃないか!というのがテーマ。誰が一番を決めるのかって?あなたですよ!3人の対話を読みきったところに投票フォームがございますので、ぜひぜひ清き一票を。最もNo.1に輝いた回数が多いアンテナメンバーにはもしかしたらご褒美が授与されるかも…?!

 

第7回目のテーマは『 最低邦題決定戦』。あるある、「なんでこのタイトルつけた!?」的な作品。あなたにも思い当たる節があるはずです。きっとそんなタイトルになった理由がそれぞれにある……はず?

 

 

 

かずーセレクト 『YOUTH』/『グランドフィナーレ』

 

 

安里人: というわけで、今回のテーマは『最低邦題決定戦』ですね。CD、映画タイトル、本のタイトルなんでもありです。

 

かずー: 私から発表するんですが……いろいろ考えたんですけどね。最低なタイトルがついているものは、その時点でクソ臭がでているのでそもそも手に取らないという結論に至りました。

 

優月: 音楽?映画?本?何で探しました?

 

かずー:音楽はそもそも国内盤がリリースされているものに限定されちゃうんだよな~。しかも高いので国内盤買わないんですよね。小説はやっぱりそれなりに上手く翻訳しているものばかりだし。なので、わたしが最近見た最高だった映画の話をします……!

 

優月: あれ? (笑)

 

安里人: いいのかな?(笑)

 

かずー: 最低タイトルという概念を発想の転換で捻じ曲げてですね(笑)。”グランドフィナーレ”って映画をこないだ見て最高だったんですよ。

 

優月: 何となく聞いたことあります!

 

 

グランドフィナーレ [Blu-ray]

 

 

かずー: 邦題が”グランドフィナーレ”で原題が”YOUTH”なんですね。

 

安里人: 方向性が真逆の邦題がつけられてますね。

 

かずー: あー、安里人さん。それ、わたしがこれから説明するやつのオチだから、シーッ!あらすじはザクっとだけ話すと、昔栄華を誇った音楽家のジジイ1と、その親友で売れっ子映画監督だったジジイ2がアルプスの美しいリゾート地でのんびり過ごすんですよ。そのリゾート地っていうのが、ただのリゾート地じゃなくて「特別な人」しかいないリゾート地。モデルだとか、ハリウッドスターだとか、マラドーナとか(笑)。ジジイ1はもう隠居した~い指揮棒振らな~いって感じなんだけど、ジジイ2はまだ返り咲きヒットを狙ってる。そんな二人と周りの不思議な金持ちたちが過ごす余暇を、もやもやした葛藤と一緒に描いた映画です。

 

優月: あらすじ面白そうですね!

 

安里人: マイケル・ケインとハーヴェイ・カイテル主演ってだけで最高だよね。

 

かずー: そう、最高のジジイ映画なんですよ。ラストシーンが頑なに音楽活動を拒んでいたジジイ1がオーケストラの前で指揮棒を振るシーンで終わるんですけど、そのシーンにかけて”グランドフィナーレ”って邦題がつけられたんでしょうね。あとはジジイたちの人生最後の華、っていうダブルミーニングで。

 

優月: そう聞くと、これはこれで考えられたいいタイトルにも思えてきますね。

 

かずー: そう、ちゃんと考えられているとは思うんですけど、やっぱり原題が”YOUTH”っていうことを知っちゃうと急にその華やかさが陳腐に感じる。

 

優月: 年をとった人の話で”グランドフィナーレ”だとそのままですもんね。

 

かずー:そう。安里人さんが最初に言ってたけど、”グランドフィナーレ”と”YOUTH”ってすごくうまいこと対になっているんですよ。私がこの映画で一番いいなと思ったところは「老いていく」ということは同時に他者の持つ若さと、かつての自分の若さと向き合わなくちゃいけないということ。というかこの映画のテーマって「老いてなお人生最高!」とかそういうことじゃなくて、過去輝いていた自分に対する耐えられないほどの虚しさなんですよ。だからこの邦題は本質を捉えられていないんじゃないかな。でもその一方で、この映画の邦題が最初から”YOUTH”もしくは仮に”青春”的なタイトルをつけられていたならば、”YOUTH”って原題の絶妙さに気づかなかったと思うんだよね。

 

優月: たしかに…日本語で「YOUTH」にぴったりな言葉ってあまり無さそうですもんね。若者とか若さとかだと含みがないし…素敵な単語ですね。

 

里人: 個人的にこういう英語のくせに原題と違うタイトルは、外国の人と話すときに「ん??」ってなるからやめてほしいです(笑)。

 

かずー: たしかに……どっちも英語ですからね。ややこしい!

 

安里人: この映画、海外版のポスターではおじいちゃんと若い女がすれ違うように一緒に写っているのだけど、日本版だと若い女が消されちゃってるんだよね。そこにも悪意を感じる。

 

かずー: うーん、若さと老いの対比が一番大事なのにな……!しかし邦題をつけた人が”グランドフィナーレ”ってそれっぽいけど本質とずれているタイトルをわざと原題と対比させて、際立たせるところまで考えてつけているのだとしたらまじで天才だなって思いました。

 

安里人: じゃぁ今回ピックアップしちゃダメやん!

 

かずー: 映画見終わったあとは最低邦題やと思ってぷんすかしてたんですけど、考えれば考えるほど裏の裏は目から鱗の邦題でした(笑)

 

優月: そこまで考えられているのかどうか…… (笑) 。なんにせよ映画を見てみたくなりました!

 

かずー: でもやっぱつけたやつ、何にも考えてなかったらクソ邦題。

 

 

 

優月セレクト 『VAMPIRE WEEKEND』/『吸血鬼大集合!』

 

優月: 私はどのジャンルからチョイスするか迷ったのですが、洋楽にしました。最近CDショップでCDを借りて……ということが少なくなったので、CDの邦題とか歌詞の和訳を見ることもほとんどなくなりましたね。だから気になって。

 

安里人: 一言先言わして!メタルの邦題は魔境やぞ…。

 

かずー: まじで守備範囲外ですわ。メタルの邦題。

 

優月:そもそも邦題以前に原題がツッコミどころありそうですもんね……。

 

 

かずー: メタルの邦題考える仕事めっちゃたのしそうだな。

 

安里人: 酒飲みながら決めてそうって勝手な偏見

 

優月: 少々めちゃくちゃなのを付けても怒られなさそうですね。ってそうじゃなくて!私はこれを選んできました。メタルじゃないです。

 

吸血鬼大集合!

 

安里人: 笑!

 

かずー: うわっ、これは……(絶句)

 

優月: 『吸血鬼大集合!』

 

かずー: え……天下のヴァンバイアウィーケンにこれつける?

 

安里人: 僕もヴァンパイアウィークエンド好きやのに……。

 

かずー: これセルフタイトルアルバム?未だかつてこんな仕打ち受けたセルフタイトルアルバムある?

 

優月: そうですね。ファーストアルバムかつセルフタイトルみたいなんですが、こんなことに……。意外と紹介文の方は熱量がすごくて、ちゃんと音楽的なことを語っているんですよ

 

NYで超話題沸騰中の大学生マッシュ・アップ・バンド、ヴァンパイア・ウィークエンドいよいよデビュー!!! ポップだ!アフロだ!パーティーだ!

★PavementとThe Strokesの美味しいところを優れたアフロビートと混ぜ、2007年冬、最もエキサイティングなパーティ・ミュージックをつくるNYの一番いけてるバンド!・・・NME誌

★聴きたい時にVAMPIRE WEEKENDのmp3がすぐ聴けるこの時代っに万歳!・・・クリス・マーティン(コールドプレイ)

★ストロークスっぽいギター、コンゴのアフリカン・ダンス・ビート、そしてルイ・ヴィトンとレゲトンで韻を踏ませる圧倒的なセンス!・・・ローリングストーン誌

★彼らのライブ観たけど、凄いよかったよ!曲がキャッチーだね。初期トーキング・ヘッズを思い出させられたよ・・・デヴィッド・バーン(元トーキング・ヘッズ)

 (Amazonより)

 

安里人: テンション高くなりすぎて滑っちゃった…!?

 

かずー: 突っ込む余地を与えてくれない勢いがやばくないか。「この時代っに万歳!」ってコールドプレイの人こんなことまじで言ってんの?「っ」入れる位置どうした?

 

優月: コメント寄せてる人たちのテンションがやたら高いですね (笑)。ダサい邦題って昔のものってイメージがあると思うんですが、まさか2008年リリースでこのクオリティのものが出てくるとは……。

 

かずー: この邦題をつけた意図を知りたいね。まさかなんとなくでこの仕事はしないでしょう(笑)。ウィークエンド要素はどこいったんだよ……。

 

安里人: 別に僕たち吸血鬼ですってコンセプトバンドじゃないのに……。

 

優月: もしかして、週末→大集合!て発想なのでは……?!

 

かずー: え、そんな「8時だヨ!全員集合!」みたいな昭和ノリ?!

 

 

安里人セレクト 『ISLAND CLAWS』/『グルメホラー 血まみれ海岸・人喰いクラブ 地獄のシオマネキ カニ味噌のしたたり』

 

安里人: はーい、じゃあ最後は自分ですね!”グルメホラー 血まみれ海岸・人喰いクラブ 地獄のシオマネキ カニ味噌のしたたり”です!

 

優月: 映画ですか?情報量が多いです……!

 

かずー:ちょ、まず原題は一体なんなんですか?何がどうなったらその邦題になるんですか?

 

安里人: 原題は二つあって”GIANT CLAWS”と”ISLAND CLAWS”です!

 

かずー: 二つある?

 

安里人: タイトルが二つある理由は、受けなかったからタイトル変えてもう一回リリースしたパターンですね (笑)

 

かずー: 雑っっ魚wwwww

 

 

安里人: 直訳すると、「でかいハサミ」or「ハサミの島」。

 

優月: 原題の方もすでにやらかしてますね (笑)

 

安里人: あらすじは……「原発事故→カニが増える!でかくなる→人を襲う!」

 

かずー: 雑魚モンスターパニック映画あるあるwww

 

優月: ゴジラと一緒じゃないですか……!

 

安里人: ちなみに裏話がありまして、この邦題「タモリ倶楽部」でつけられたっていわくつきのタイトルなんです。

 

かずー: やりたい放題やんけ!

 

優月: あ、それでこんなにふざけ倒してるんですね……!

 

安里人: なんか、候補を全部詰め込んだらしいですよ。しかもロケ地のかに道楽でかに食べながら決めるという……。

 

 

かずー: 最後にタモさんが「うーん、かにみそのしたたりだね」って言ってるのが容易に目に浮かぶな。

 

安里人: きっと映画本編よりもそのタモリ倶楽部の回の方が面白い。

 

優月: それまで、この映画には邦題が付けられていなかったということですか?

 

安里人: VHS化されたときに、じゃあ邦題を決めましょうっていう企画趣旨だったらしいです。

 

優月: ちなみに、どこの国の映画ですか?

 

安里人: アメリカ映画です。監督兼プロデューサーのハーナン・カーデナスって人はこの映画しか作ってない謎の人です。

 

かずー: で、かにみそはしたたるんですか?そこ大事では?

 

安里人: 滴らないですね〜。そもそも出てくるカニがシオマネキかどうかすら怪しい。

 

かずー: たしかにシオマネキではとてもじゃないけどカニみそは滴らないですね。

 

優月: でもこれは原題の”GIANT CLAWS”からここまでのインパクトになったと思えば大成功なんじゃないですかね?

 

安里人: そう、ここまで酷いタイトルだと見て見たくなるでしょ。ちなみに邦題ボツ案は「地獄のかに道楽」らしいです(笑)

 

かずー: 安里人さんはちゃんと本編みたんですか?VHSで?

 

安里人: もちろん!でもジョーズの美術製作の人がこの映画のカニも作ってるんだよね。だから結構特撮クオリティは頑張ってるけど、まぁ全然面白くないよ。

 

優月: へー!それでいて全然おもしろくない…… (笑)

 

安里人: 映画の大半は小さいカニが家に入ってきて悲鳴をあげるってなんじゃそりゃなシーンの連発。YOUTUBEで頑張ったら字幕なしで見れるんで、気になる人はぜひ!ブルー

レイを輸入するのもアリですね。

 

かずー: とりあえずそのカニ食ってる回のタモリ倶楽部を探しますわ。

 

優月: 確かにそっちは見てみたいです (笑)

 

かずー: 最低邦題というか、もはややりたい放題でしたね……。

 

安里人: おっ、うまいこと言った。

 

 

 

 

この記事を書いた人

山田 和季
山田 和季
チーフエディター。 (頭が悪いから) 歯に衣着せぬ物言いで、最近は「めたくそライター」の肩書もGETしました。ふざけただらしのない文章を好みます。母の鳴く家というバンドで紅一点ギターを弾いていますが、わりと常にエロいことを考えています。

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