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フラッシュバック・エモーション vol.4


 

 

【flashback】フラッシュバック

過去の出来事がはっきりと思い出されること。逆行再現。

【emotion】エモーション

 (心身の動揺を伴うような) 強い感情、感激、感動。

 

感情を大きく動かした出来事を思い出す時、そこには様々なカルチャーの存在がありませんか?「この曲を聴くと、楽しかったあの頃のことを思い出す」「悲しい時はいつもあの映画を繰り返し観たな」……そんな「喜怒哀楽×カルチャー」を毎回ひとつテーマに取り上げて、アンテナ唯一の女性チーム3人が思い入れたっぷりにご紹介します。

前回までは3人それぞれが「喜」にまつわるエピソードを紹介してきました。そして今回から「怒」のターンが始まります。喜怒哀楽の中でも最も強烈な印象のある「怒」、果たして彼女たちが怒った時に連想するのはどんなカルチャーなのでしょうか。いざ、フラッシュバック!!

 

 

皆さんは、今までの人生で何度、喧嘩をしましたか?

私はほとんどありません。片手の指で数えられるくらい。基本的に穏やかでめったに怒らない人間です(にっこり)。

ですが、そんな私が3年ほど前に大喧嘩をした時のお話です。喧嘩の相手はなんと、アンテナ編集長・堤!?

 

 

 

旅行中の喧嘩と、それを救った「人狼ゲーム」

 

 

それは、堤が企画した石川・能登旅行中の出来事でした。10人以上が参加する結構大規模なイベントの道中です。詳しい経緯は省略しますがちょっとしたことから喧嘩になって、一気に険悪ムードに……宿泊先の旅館に到着してからも、我々の喧嘩により皆の間にはピリピリとした不穏な空気が流れていました。気を遣ったり仲裁に入ってくれる友人たちをよそに、相変わらず和解出来ない2人……

 

そんな緊迫した状況にも関わらず、夕食後に「あるパーティーゲームをするから」と、私と堤も含む皆が一同に集まることになったのです。

 

そこで行われたゲームの名は、「人狼ゲーム」。

 

 

人狼ゲームとは?

 

「人間チーム」と「人狼ゲーム」に分かれて戦うパーティーゲーム。人間に化けて村に潜み夜ごと人間を1人ずつ食い殺す人狼と戦うため、村の皆は昼間に議論を行い、人狼と思しき人物を1人処刑します。「昼のターン」と「夜のターン」を繰り返し、それぞれのチームが勝利を目指します。

ゲーム開始前に参加者は自分の「役職」を決めるためのカードを引きます。主な役職は次のとおり。

 

 

≪人間チーム≫ 勝利条件:「人狼」をすべて処刑し殲滅すること。

 

【村人】何の能力も持たないただの村人です。己の頭脳と話術のみで人狼と戦います。

【占い師】夜のターンに誰か1人を占い、その人物が「人狼」か「人間」かを知ることが出来ます。

【霊媒師】夜のターンに、昨日の昼のターンに議論によって処刑した人物が「人狼」だったか「人間」だったかを知ることが出来ます。

【狩人】夜のターンに、自分以外の人物1人を人狼の襲撃から守ることが出来ます。

 

 

≪人狼チーム≫ 勝利条件:「人間」の人数を、「人狼」の人数と同数またはそれ以下にすること。

 

【人狼】夜のターンに人間を誰か1人食い殺すことが出来ます。

【狂人】能力は持ちませんが、嘘をついたり場を混乱させて人狼の味方をする人間です。人狼チーム側に属しますが、狂人は占いや霊媒の結果は「人間」と判定されます。

 

 

皆で議論をしながら、人間チームは能力によって得た情報をもとに人狼を探しますし、人狼チームは嘘をついたり能力を騙って村人を味方につけ処刑を逃れようとする、まさに舌戦!

 

 

私は当時初めて人狼ゲームをしたのですが、最初はルールや戦い方がわからずひたすらオロオロしていました。ただ、わからないなりに、この頭脳と話術を駆使するゲームがとても面白いなぁと思っていました。

 

その旅行のことを思い出すと、喧嘩の苦い思い出と共にいつもこの人狼ゲームの風景が思い浮かびます。アンテナメンバーも何人か一緒でしたね。人狼なのに意気揚々と占い師をCO(カミングアウト)する堤。謎なタイミングで霊媒師をCOして疑われるデザイン班・高石。すぐ死ぬDino。それが何だかかわいそうで、狩人になった私はひたすらDinoを守り続けたり。「ちーちゃん(私)は村人の時は「わかんない」を連呼するからすぐわかる」って言ってくれたのは、かずーだったっけな。

 

そして何より、ゲーム中に堤が笑っていることにホッとしたのを覚えています。ありがたいことにこの時だけは、私と堤が「一時休戦」することが出来たのです。

 

 

 

「やる」だけじゃない、「観る」人狼ゲーム

 

 

その後、しばらく人狼ゲームをする機会はなかったのですが、ひょんなことからこの人狼ゲームが動画配信サイトなどで随分話題になっているということを知りました。どうやら過去にはフジテレビで人狼ゲームの番組も放送されていたようで、人狼ゲームを「観る」ということが一つのエンターテインメントとして成立していたのです。

 

こうして私の動画サイト漁りの日々が始まります。誰が人狼かを推理して当てるゲームなので、他人がやっている状況を観ているだけでもとても楽しめるのです。

 

「この人、占い師って言ってるけど発言も挙動も怪しいしきっと偽物だろうな」

 

とか、

 

「え、この人、人狼だったの!?嘘、上手すぎ・・・」

 

とか、一緒になって考えたり驚いたりすることが出来ます。

 

動画配信だけでなく、「魅せる人狼」を演劇にして舞台上で人狼ゲームを行う演劇集団も存在します。人狼TLPTという集団で、私も東京まで公演を観に行ったことがあります。公演直前に役職カードを配り、あとは舞台上でアドリブの人狼ゲームを繰り広げるのですが、そこはさすが役者さん。公演のキャラクターを演じながらも、時に冷静に、時に感情を爆発させるような議論の様子は、観ていてとても迫力がありました。

舞台上で繰り広げられたゲームが面白かったのはもちろん、普段演劇を観に行くことがなかった私も、これをきっかけに「役者ってすごいな、演劇をもっと観てみたいな」と思いました。

 

 

人狼TLPT版のルール説明。人狼ゲームはプレイヤー人数などによって若干ルールが変動します。

 

 

 

「遊び」は、立派なカルチャーだ

 

 

以前、リアル脱出ゲームでおなじみの株式会社SCRAPさんの京都店舗、アジトオブスクラップ京都を取材させていただいた時に、マネージャーの松田さんから「リアル脱出ゲームを一つのカルチャーにしたいんです」というコメントをいただいたことがありました。(関連記事:【SPOT】アジトオブスクラップ京都

 

リアル脱出ゲームしかり、人狼ゲームしかり、何人かのメンバーが集まってああでもないこうでもないとコミュニケーションを取りながら進めていくゲームは、それだけで皆に不思議な結束が生まれます。今まであまり話したことのない人同士であっても、ゲームをしているうちにびっくりするくらいに仲良くなったり、理解が深まったりします。この感覚は、他ではなかなか味わえないのではないでしょうか。私は、こうした「遊び」や「ゲーム」も立派なカルチャーだと思っています。

 

 

 

余談 ~喧嘩、その後~

 

 

さて。石川旅行で喧嘩した私と堤ですが、すっかり仲良しに戻りました。ホッ、安心。

当時旅行で一緒だった皆さんには本当に申し訳なかったし、堤に対してもご免なさいと反省しています。でも、私がこれまでの人生で喧嘩をした数少ない中の1人が、堤で良かったかもしれません。もしかしたら、このことがあったおかげで堤のことをより沢山知れたかもしれないし。

 

 

うちの堤はいい編集長ですよ。皆さん、これからもアンテナをよろしくね。

 

 

 

過去の記事

 

①vol.1 by キャシー

 

②vol.2 by 稲本百合香

 

③vol.3 by 齋藤紫乃

 

この記事を書いた人

キャシー
キャシー
Twitter:@cathyletter
京都発アートパンクバンド、my letterの元ドラマー。
現在は1リスナーとしてのんびりバンド界隈を眺める傍ら、ゆーきゃんバンドではサポートでサックスを吹くことも。
文章を書くのが好きで、学生時代に得意だった科目はもちろん国語。でも本当はずっと理系に憧れている。
いつも論理的・客観的でありたいなァ。

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