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フラッシュバック・エモーション vol.5


 

【flashback】フラッシュバック

過去の出来事がはっきりと思い出されること。逆行再現。

【emotion】エモーション

(心身の動揺を伴うような) 強い感情、感激、感動。

 

感情を大きく動かした出来事を思い出す時、そこには様々なカルチャーの存在がありませんか?「この曲を聴くと、楽しかったあの頃のことを思い出す」「悲しい時はいつもあの映画を繰り返し観たな」……そんな「喜怒哀楽×カルチャー」を毎回ひとつテーマに取り上げて、アンテナ唯一の女性チーム3人が思い入れたっぷりにご紹介します。

前回から始まった「怒」のターン。喜怒哀楽の中でも最も強烈な印象のある「怒」、表現する切り口もきっとそれぞれ違いが出てくるのではないでしょうか。今回2回目となる投稿は稲本による投稿です。いざ、フラッシュバック!!

 

 

「怒」というテーマを目の前にして自分自身の26年間を振り返ってみましたが

人に、出来事に対して気が狂うほどに本気で怒ることも「これを機に絶交だ」と思うほど誰かと喧嘩をしたこともないなと……。

(だからといって、腹が立つことは日常にゴロゴロ転がっていますが)

どちらかというと対外的な対象に「怒」の感情が湧くというよりも

自分自身へ「怒」ともいえる悔しさを抱くほうが多かったように思います。

 

その中でも最も私が人生の中で悔しさを抱いたのは高校生の頃、吹奏楽部で過ごした3年間の中にありました。この文章を書くことを決めてから気付いたのはやはり私は音楽とともに感情が湧くことが多いんだなと改めて感じました。

 

 

 

高校1年生:パート内全員が楽器経験者という渦の中で過ごす

 

私は中学生の頃から吹奏楽部に入部していて高校生になってからももちろん部活を続けるという選択は可能性としてあり案の定、高校に入学してからも吹奏楽を続けることになりました。

実際に入部してみるとひとつ、中学生の頃と比べて大きな違いがあったのです。

それは部員の人数が圧倒的に少ないということ。

 

中学生の頃は約100人近くの部員がいて毎年吹奏楽コンクールの出場メンバーに選ばれるかも分からない状態でした。(出場最大人数形態は50名までと決まっている)

対して、高校での部活に入ると圧倒的に人数は少なく、30名に到達するかしないかの人数だったのです。 そのため、高校生の頃のコンクールの出場形態は小編成扱いでした。

全体の人数が明らかに少ないという戸惑いも抱えつつ、私が担当していたパートはトランペットで尚かつ、パート内全員が中学生の頃から楽器を続けているという経験者揃いでした。

 

全くの初心者で高校生活の部活をスタートさせたわけではないのに、内心焦る気持ちと1年目から悔しさでいっぱいでした。

 


高校3年間をともにしたMy楽器



 

 

高校2年生:初めて気付いた負けず嫌いの性格

 

高校1年生の頃からパート内全員が楽器経験者の中で切磋琢磨をしていたわけですが初めての後輩がパート内に3名入ってきてもその状況は変わらず全員がまた経験者揃い。

 

同級生はもちろん後輩にも示しをつけないといけない、絶対的に上手い先輩にはなかなか近づけない 悔しさともいえる葛藤を2年目も続けることとなりました。

部活をしているときの私は

「ずっと誰かと自分と戦い続けなければいけないのか」

と毎日が張り詰めている状態でもありました。

 

そんな状況の中、当時の私はどうしてそんなにも頑張ることが出来たのかを考えてみると

高校1年生の頃、高校3年生の先輩にこっそりかけてもらったこの言葉を思い出して乗り切っていたんだなと思います。

 

「実はゆりかちゃんってとても負けず嫌いだよね。」

 

それまで全く自分では思ってもいませんでしたが、毎日一緒に傍で活動をしてる人に言われることで自分の性格の中に潜む一面を知ることが出来たのです。

初めて自分の感情のある意味「怒」の部分に気付けた瞬間でした。

 

それからというものの自由参加の朝練にもほぼ毎日参加するようになりました。 私は上手く出来ない自分に「怒」をぶつけることで成長できるんじゃないかと。

在り来たりな言葉かも知れませんが当時の私は「努力は人を裏切らない」と信じていたのだと思います。

 

 

高校3年生:初めての大きなスランプ

 

最上級学年に上がり、気付くとパートの中での同学年はひとりだけになっていました。

指標になるべき先輩であることはもちろん、パートリーダーでもあったので、結局自分のベストの状態を常に保たないといけない状況は同じで、ある意味アスリートのような精神力がいるのだなとも感じていました。

 

そんな中、毎年夏に行われる吹奏楽コンクールでは同パートの中でもトップの1stトランペットパートを担当することになりました。もちろん1年生の頃からコンクールには参加していましたがそれぞれの年での心境や心構えは違ったもので最後の参加となる3年生のコンクールではプレッシャーが大きいものでした。

 

パート全員を引っ張っていかないといけないこと、全体の中でも花形のトップをコンクールという勝負の1日の数分の演奏の為に走り続けることは思っているよりも大変でした。(吹奏楽部経験者の方は共感してくれるはず)

 

やはり高校3年生の頃の私には荷が重かったのかコンクールの2週間前に部活動生活最大とも言えるスランプに陥ってしまったのです。

高音はおろか、毎日当たり前に鳴らせてた音が全く出ない状況がしばらく続き、顧問にも「ちょっと休んで」と合奏中に言われる始末。

 

コンクール当日までにはなんとかスランプから抜けだし、安心して演奏することができたのですがこの出来事は悔しくてたまらなくて、最も自分に腹が立ったことを今でも覚えています。コンクールで演奏したこの曲を聴くと当時の自分が蘇りますね。

 

 

 

高校3年間:部活動生活で得たもの

 

高校3年間、部活動を続けてきて正直顧問に褒められた経験を思い返してみるも本当に少なかったです。

 

唯一覚えているといえば、あの有名なディズニー音楽”A Whole New World”のソロだったなと。花形パートにいるからといって私はソロを演奏することが好きというわけでもなく、割とソロは年功序列で担当が回っていく世界だったのでそんな中でも褒められた経験は驚きでもありました。

 

というように部活動で3年間ほぼ休みなしで必死で活動をしてきても、嬉しかった出来事を思い返せることは少なく正直、当時のような生活を現在出来るかと言われても無理だと思いますしやりたいとも思いません(笑)ですが、この3年間の活動の中で自分自身に「怒」ともいえる悔しさを抱き続けたことで物事や困難に向き合う姿勢が確立出来ました。

 

自分に対して向ける「怒」の感情も悪くなかったなと大人になって振り返った今だからこそ思えるのだと思います。

 

 

過去の記事

 

①vol.1 by キャシー

 

②vol.2 by 稲本百合香

 

③vol.3 by 齋藤紫乃

 

④vol.4 by キャシー

この記事を書いた人

稲本 百合香
ライター。なぜか「ライブに行くのが意外!」と言われがちですが

休みの日はもっぱらライブで現実逃避!

「メジャーインディーズ問わず良いものは良い!」

という想いを抱きながら日々、素敵なもの(音楽・アーティスト)を

探し求めて、アンテナにて奮闘中。

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