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フラッシュバック・エモーション vol.1


 

アンテナ編集部が3チームに分かれて、それぞれ内容の異なった連載を週替わり掲載することになりました!2週目の連載はその名も「フラッシュバック・エモーション」。

 

【flashback】フラッシュバック

 過去の出来事がはっきりと思い出されること。逆行再現。

【emotion】エモーション

 (心身の動揺を伴うような) 強い感情、感激、感動。

 

感情を大きく動かした出来事を思い出す時、そこには様々なカルチャーの存在がありませんか?「この曲を聴くと、楽しかったあの頃のことを思い出す」「悲しい時はいつもあの映画を繰り返し観たな」……そんな「喜怒哀楽×カルチャー」を毎回ひとつテーマに取り上げて、アンテナ唯一の女性チーム3人が思い入れたっぷりにご紹介します。

今回のテーマは「喜×音楽」。担当は、元バンドマンでドラマーのキャシーがお届けします。では、いざ、フラッシュバック!!

 

 

まずは初めまして。アンテナライターのキャシーと申します。(純日本人です)

アンテナに関わる以前は、わたしは1年半ほど前まで京都のmy letterというバンドでドラムを叩いておりました。

今回、テーマが「喜×音楽」ということで、京都のバンドをひとつ取り上げることにしました。わたしが何よりハッピーになれる音楽です。日々の暮らしに忙殺されてハッピー不足気味の人は、是非ご覧くださいね。

 

 

 

「お世話になります、前田サンシャインオフィスです!」

 

 

わたしが「前田サンシャインオフィス」というバンドと出会ったのは、2年ほど前のことです。会社みたいな変な名前ですが、京都で活動する、れっきとしたバンドです。

 

 

それはわたしがまだバンドに在籍していた頃。

 

わたしの所属していたmy letterは、京都で行われている「いつまでも世界は…」というサーキットイベントに出演させてもらいました。今年もめでたく開催されるようですが、わたしが出たそれは、前々回の「いつせか」です。その日、my letterは磔磔というライブハウスに出演予定で、出番前、わたしは出演者の特権で磔磔2階の控室でくつろいでいました。

 

そこには他のいつせか出演者たちもいたのですが、その中に今回紹介するバンド「前田サンシャインオフィス」のメンバーである楠木さんがいました。彼は楽器屋で働くドラム担当の店員さんで、ちょうどいつせかの少し前にmy letterみんなでシンバルを買いに行って、顔見知りになったばかり。話を聞くと、彼もどうやら出演者で、何やら大所帯のバンドでパーカッション (打楽器) を叩くとのこと。ふうん、ドラムじゃないんだ。

 

さて、自分の出番が終わり、一人コーヒーブレイクをしながら「どのバンドを観に行こうかな」と思っていた時に、ふと彼の話を思い出しました。目当てのバンドまで時間があったので、ちょっと観に行ってみることにしたのです。

 

 

と、いうわけでやってきましたライブハウス都雅都雅!お客さんは、うーん…お世辞にも多いとは言えないな。

 

とりあえずフロアの真ん中でステージを見上げていると、気付けばわらわらとメンバーが出てきました。ギターやベース、ドラム、鍵盤の他にも、管楽器がいてパーカッションがいて……何となく、軽音楽部の合宿でやった賑やかし系宴会バンドの雰囲気だ。

……大丈夫だろうか。一抹の不安。

 

 

 

…が、しかし!!彼らは「ただの宴会バンド」ではなかった!

 

 

 

「とてつもなくクオリティの高い宴会バンド」だったのだ!!!!!!

 

 

「烏丸通りを南へ」、アップテンポでおしゃれなナンバー。さらっと演奏してるけど、この曲、絶対難しいやろ!!!!

 

 

いや、すいません。宴会バンドっていうのは物のたとえです。

 

でも、宴会じゃなくても、陽気な音楽に乗せて手拍子が起こって、その場にいるだけでとにかく楽しいのです。もう呆れるほど愉快。メガネのテナーサックスのお兄さんが漫談のようなMCを繰り広げ、曲の途中で突然ベースのお兄さんのソロ独壇場タイムが始まり、フロアはベースに向かって「いちびってる!」のコール・アンド・レスポンス。かと思えば、お客さんをステージに引っ張り上げて、シェーカーを振らせその場でクルクル回転させてみたり。もうひたすら笑うことしか出来ませんでした。

 

 

 

賑やかさの裏に、確かな実力あり!

 

 

後になって聞いてみたら、このバンド、結構面白いメンバーが揃っていたようで。

 

ボーカルはライブハウスDEWEYの店長牧野さん。バリトンサックスのケンケンはいつせか主催のシックスブリッツでもサックスを吹いていたり、ギター福原さんは講師、ベースTU-KOはベーシストとして生活を営み、テナーサックス古田さんは、こっそりメジャーデビューしてた経験があったetc…ほとんどのメンバーが掛け持ちバンドで精力的に活動をしている実力派。メンバー内に楽器屋店員が2人もいたり (バンドマンにとっては便利だね)、でも「前田サンシャインオフィス」ってバンド名のくせに、実はメンバーに「前田さん」はいません…

 

宴会だ何だと散々書きましたが、ただ賑やかなだけじゃなくて、演奏のクオリティが本当に高いことに驚きました。わたしは曲がりなりにもバンドマンだし、かつてブラバンでサックスを吹いていたことがあるのでわかりますが、各個人の演奏技術が高いんです。ですが、その上手さをひけらかすのではなく、ただただ楽しい音楽を本気で楽しんでやっていることに感激しました。だからこそ、音楽に詳しい人じゃなくても、観る人みんなが誰でも楽しめるステージだったのです。

 

 

 

なーーんにも考えなくても、ただ楽しいだけでいい。

 

 

わたしはバンドマンでしたけど、正直言って、音楽はあんまり知りません。

 

周りのみんなはものすごく音楽に詳しくて、「みんな、何でそんなに音楽を知ってるんだろう」ってずっと思っていました。

わたしは好きな曲が見つかると、そればかり何十回も飽きずに聴き続けるタイプなので、もしかしたら、新しい音楽を吸収するスピードがみんなに追いつかなかったのかもしれません。ただ、人より音楽を知らないことがずっとコンプレックスで、バンド界隈の人たちとも音楽の話をするのは億劫だったし、出来るだけ避けてきました。

 

そんなわたしが、コンプレックスなんてなーーーーーんにも考えずにただ笑って観られた、この上なくハッピーなバンドです。前田サンシャインオフィスはバンドのキャッチフレーズが 「幸せのおしつけ」 なのですが、もう、まさにそれ。厚かましくおしつけられました。ほんとに、こっちのコンプレックスだとか落ち込んだテンションなんかお構いなしに、遠慮がないんだから。

 

 

ボーカル牧野さんはライブでは必ず「家があるのさ、という名曲を聴いてくれ!」と曲紹介します。ハードル上げてこ!

 

 

 

もっと知られるべき!みんな、彼らに幸せをおしつけられにいこう!

 

 

誰でも楽しめる音楽だとは言いましたが、わたしはこのバンドを、是非バンドマンにこそ観て欲しいんです。好みが分かれるだろうし、もしかしたら進んで観に行こうという気にはならない人もいるかもしれません。でも、観たらきっと何か感じることがあるんじゃないかと思います。

 

演奏も上手いので、それだけでも観る価値はあります。また、サックスやトランペットなどの管楽器が5人も入っていて、こんなに豪華な編成のバンドはなかなかいないので、これを機に管楽器の魅力も知って欲しい。前田サンシャインオフィスには大きさの違う4種類のサックスが揃っています。サックスはいいぞ。見た目もかっこいいし、音がエロいぞ。

 

そんな前田サンシャインオフィスは、4/23(日)に木屋町DEWEYでレコ発イベントをするそうです。わたしは今、仕事の都合で名古屋に引っ越してしまったのですが、その日は新幹線で京都に駆けつけるつもりです。

 

 

みなさんも、このうっとうしいほど底抜けにハッピーなバンドに、幸せをおしつけられてみませんか?

 

 

  

前田サンシャインオフィス

 

2012年8月 関西を中心に各方面で活躍するバンドから、選りすぐりのメンバーが集まり結成。総勢12名が織り成す

分厚い音と、愛溢れる楽曲、軽すぎるステージングは早くから注目されている。活動場所はライブハウスだけに留まらず、街フェスやカフェ、レストラン、商店街、福祉施設や地域のお祭り、学校など場所を問わず。



いつまでも世界は2015/茨木音楽祭/高槻ジャズストリート/西院ミュージックフェス/大宮グッドフェス/長岡京ミュージック/などの街フェス出演多数。

【勝手にテーマソング作り】という事を一つの活動とし、現在は京都にある松原京極商店街、長岡天神ケーキショップBerry&Berryのテーマソングを手がけている。

 

合言葉は【幸せのおしつけ!】

https://maedasunshine.jimdo.com/

この記事を書いた人

キャシー
キャシー
Twitter:@cathyletter
京都発アートパンクバンド、my letterの元ドラマー。
現在は1リスナーとしてのんびりバンド界隈を眺める傍ら、ゆーきゃんバンドではサポートでサックスを吹くことも。
文章を書くのが好きで、学生時代に得意だった科目はもちろん国語。でも本当はずっと理系に憧れている。
いつも論理的・客観的でありたいなァ。

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